近内令一 電気羊の見る月はアンドロ目玉焼きの夢より楽しいか PROCESSING

撮像システムと画像処理法

 現在の主砲はC14(セレストロン製35cmシュミットカセグレン)。この鏡筒を選ぶに当たっては、協栄産業東京店にお世話になった。価格から考えると実に立派な光学系で、良シーイング時には500倍前後まで非常にシャープな月面像、惑星像を結ぶ。

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 ペンタックスMS-5赤道儀にこの鏡筒を載せている。バランス的にはベストマッチだろう。ドライビングも優秀な架台だが、後述するように、月面撮像に際しては月追尾モードが欲しい。

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 月面撮像に使っているCCDカメラは武藤工業製CV-04L(40万画素、アンチブルーミングゲート付き)。160万画素のCV-16Lも時々貸していただいて使う機会がある。これらのCCDカメラを、誠報社製CCD用光路切替アダプタ−でC14に取付けて、主に直焦点(F11、焦点距離約4000mm)で撮像している。1.4〜2×のテレコンバ−タ−を使うこともある。


 構図再現及びシーイング監視用に、同架した五藤光学製8cm F12アクロマートにビクセン製モノクロCCDビデオカメラB05-3Mを付けて、撮像用パソコンのCRTの横にモニターを並べて使っている。極めて便利。

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 撮像用パソコンは、IBMのAptiva 2134-J31(133MHz、1.6GB、48MB)。露出を終えてからCRTに元画像が出るまでの時間(A/D変換+転送時間)はCV-04Lで13秒。これならストレスはほとんどたまらない。CV-16Lでは52秒。これは発狂しそうなほど長いのでなんとかして欲しい。このパソコンにはStellaImageとPhotoshopを入れてあり、手応えのあった画像はその場で処理してチェックする。OKとなれば直ちにMOにセーブする。


 画像処理用のパソコンは、Aptiva H7G(200MHz、3.2GB、128MB)。月面CCD画像の処理は、ほとんどStellaImage+Photoshop4.0Jの組合せでこなしている。アストロアーツさんにお世辞を言うわけではないが、StellaImageは月面画像処理には必須のソフトだ。特に、アンシャープマスク、コンポジット、及び3色合成の各処理の使いやすさは現存する他のソフトとは比較にならない。必要に応じて他の画像処理ソフトを使うこともある。たとえば誠文堂新光社のHyper Resolution(宮崎満明氏作)のウィーナーフィルター処理や、HiddenImageのアンシャープマスク処理など。


 Photoshopで調子を整えた最終画像は、エプソンのPM-700C(インクジェットプリンター)で専用光沢紙を使って出力している。このプリンターの画質には非常に満足している。

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