PhaseShiftの実行方法
宇都さんに PhaseShit による画像合成方法の投稿をいただいたものをまとめました。
■撮像データ
- 撮影日:2003年5月3日
- 撮影地:静岡県磐田郡水窪町
- 光学系:MT160+レデューサー+FinePixS2Pro
- 感度設定:ISO400
- CCD-RAWで保存。
- 外気温:約14℃
- 露出時間:5分×1枚(Original)
- 5分×2枚(ステライメージ4にてPhaseShift処理)
■処理方法の説明
簡単に処理法の説明をしておきます。S2proはもちろん、他のコンパクトデジカメでも効果があると思いますので、ぜひ活用してください。
撮影時の処理
- まず最初に1枚通常に撮影します。
- 2枚目の撮影に入る前に、赤道儀の微動ボタンで若干動かします。(赤経方向が良い?)
- 2枚目の撮影に入ります。
- 3枚目の撮影の前にやはり若干赤道儀を先ほどとは逆方向に動かします。
これは、画角をシフトさせることで、コンポジット時の画像のズレを最低限に止めるためです。 以下同じ。
なお、4枚撮るとして、先に2枚撮影してから、残り2枚を移動させて撮影!
という方が手間は少ないのですが、どうも、天体の高度変化・時間変化による背景光の変化により、S/Nを損ねてしまったり、あまりに背景光が変化してしまうとうまくノイズリダクションできないことすらあります。
1枚ずつシフトさせて撮影する方が良いようです。
シフトさせる方向を赤経方向に限定しているのは、オートガイダ併用の場合、バッククラッシュを考えると赤緯方向を不用意に動かすのはあまりよろしくないように思えたからです。
画像処理
- 画像1枚目と2枚目をステライメージ4、もしくはPhotoShopにロードします。
- ステライメージ4であれば、基準点を決めて、2枚の画像の位置合わせを行うようにしてから、『合 成』−『コンポジット』で『合成方法』に『暗い方』を選択し、実行します。
なお、レベル調整した値を使うのチェックは外しておいた方が良いでしょう。
あらかじめ、レベル調整で背景ノイズが判るように整えておけば、ノイズがとれてすっきりとする様が目に見えてはっきり判ります。
PhotoShopであれば、レイヤーを用い、画像の位置合わせを行った後、比較(暗)にて合成を行えば良いでしょう。
これまで行われていたレイヤーダーク補正などよりもスッキリとノイズが取れることと思います。
どうせ同じ時間ダーク画像を撮るよりも、シフトさせるとはいえライトフレームを撮影した方がいいよね(S/Nの向上は通常の加算平均の半分だそうです。とはいえダーク補正ではS/Nが向上するわけではありませんし)
なお、A,B,C,Dと4枚画像を撮影したとして、A,BとC,DでそれぞれPhaseShift合成を行い、暗電流ノイズを除去し、ノイズ除去した画像同士は、加算もしくは加算平均で合成を行ってください。