「星ナビギャラリー」では、天体写真やイラストを紹介していきます。星を見に行った時のスナップや観望会のようすなども送ってください。
星ナビドットコムでは「星ナビ」掲載作品の中から数点をピックアップして掲載します。小さい画像をクリックすると大きな画像になります。大きな画像からこのページ戻るにはブラウザの「戻る」ボタンを使ってください。
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2001年3月号からのピックアップ
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富士山を跳び越えるうさぎと犬/鈴木浩之(埼玉県久喜市)
●スライドで送ったものと同じ写真ですが、それをデジタル化して星座線を書き入れました。うさぎ座とおおいぬ座が富士山を跳び越えているイメージは線を入れたほうが分かりやすいと思いますが、自分としてはスライドそのもののほうが気に入っています。
★カメラを固定して星の軌跡を撮影する固定撮影と、恒星の日周運動を追尾することでより暗い星まで撮影することのできるガイド撮影を組み合わせて得られた作品です。富士山頂が真南に位置する撮影地のロケーションハンティングや、星座の南中する時刻を見計らった撮影計画の立案など、作者のイメージを作品に仕上げるまでの過程や熱意が伝わってくるようです。追尾撮影時の露光時間の記載はありませんでしたが、前景の富士山のシルエットにほとんどブレが見られないほどに抑えてあり適切です。フィルムの特性からか恒星の発色が乏しかったのが完成度の高い作品だけにとても残念ですね。星座線の入っていないポジ原板も応募くださいましたが、よりインパクトの強いこちらの作品を掲載しました。
■Aiニッコール28mmF2.8広角レンズをF4に絞って、ニコンNewFM2で撮影 ビクセンSP赤道儀 2000年11月19日01時58分から45分露光 エクタクロームダイナ400EX
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昇る月と白駒池(上)/松本 修(埼玉県朝霞市)
★白駒池は北八ヶ岳の天狗岳や横岳への登山口近くにあり、国道最高地点(標高2000m)のある麦草峠から歩いて15分ほどと近いこともあって天文ファン、特に星景写真ファンには人気のスポットです。針葉樹を中心とした亜高山帯の林に囲まれた小さな池は湖面も穏やかで、「水鏡に写った星々」を題材によく作品が応募されてきます。松本さんは力強い月の光芒とさざなみに写る月を作品にまとめました。透明感のある空と、池面の発色はもちろん、シンメトリーな構図も美しいですね。
■SMCペンタックス90mmF2.8標準レンズをF4に絞って、ペンタックス67?で撮影 2000年11月18日23時42分から9分露光 エクタクローム400X11月19日01時58分から45分露光 エクタクロームダイナ400EX
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昇る冬の大三角/大山秀一(兵庫県加古郡)
★昇る冬の大三角と冬の天の川をうまく構図に収めました。長時間露光のおかげで微恒星をはじめ冬の天の川に点在する星雲星団もよく写っています。星々の色も美しく再現されていて見事ですね。オリオン大星雲をはじめ、馬頭星雲、ばら星雲、コーン星雲、バーナードループ、エンゼルフィッシュ星雲、モンキー星雲など、ルーペで探索しているとその美しさに時間を忘れそうです。
■セコールC45mmF2.8広角レンズをF4に絞ってマミヤM645で撮影 ビクセンGP赤道儀にて恒星時追尾 2000年11月22日23時56分から43分露光 コダックエクタクロームE100Sを+2増感現像 兵庫県ちくさ高原にて
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M78(ウルトラマンの故郷)/伊藤明彦(大分県日田市)
●天気が悪く、充分に露出できなかったのでウルトラの星は確認できませんでした。
★M78はオリオン座の三ッ星の北西部に位置する反射星雲です。ウルトラマンの故郷である「ウルトラの星」はこの星雲内に位置すると言われていますが、現在のところ同定はされていません。伊藤さんはこの「ウルトラの星」に挑みましたが、あと一歩及ばなかったようです。しかし星雲のディテール描写は見事で望遠鏡のスペックを充分引き出しています。画像処理も自然で好感が持てます。
■タカハシFSQ106(口径106mm焦点距離530mm屈折望遠鏡)と冷却CCDカメラ・ビットランBJ31Lにて直焦点撮影 タカハシEM200赤道儀とオートガイダーST5Cにて恒星時追尾 キヤノンBJF850にてプリント トーカイタイプ?3色分解用フィルタとトーカイLPSP1赤外カットフィルタを使ってLおよびRGB画像を撮像しパソコン上でカラー画像に合成 2000年11月2日22時36分から総露光時間30分(L10分×1、RG各5分×2、B5分×1、全て2×2ビニング) 大分県天瀬町にて
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月光のシャワーとしし群の火球/阪口滿栄(広島県東広島市)
●放射状に写し込まれた月明かりの”すじ?”がはっきりしていて、外部に向かって色の変化も見られました。また、その先のベールの向こう側に写った星像がなぜか幻想的です。(ゴーストも写っていますが・・・)その横、写野ぎりぎりのふたご座と切れてしまったリゲルはとても残念ですが、それでも冬の大三角の中を駆けるしし群、-4等の火球はとてもきれいです。切断面のシャープさに感動しました。
もうひとつ残念なのは西日本写真観測網の協定空域が今治上空だったため月明かりを避けて北東の空を中心にして眼視観測を行なっていたため、唯一捕らえた火球を私自身目撃していないことです。2日間36枚撮りのフィルム5本を使い、唯一捉えた貴重な火球となりました。現在出現時刻を決定するために目撃情報を求めているところです。
月がこのように写しこまれるのを見たことがなかったため「どうすればこんな月を撮影できるのですか?」の質問に答えられませんでした。当日透明度がよく、流星痕の変化を見る限りでは上層空気の流れはいつもより速いのかな?と思っていましたが、地上は静かで安定していました。月の近くにあるかに座のプレセペが写っていることからも透明度の高さが伺えます。この月を見ていると星の命がつきるときの爆発のイメージを感じるのは私だけでしょうか・・・??
★流星が破線のように途切れているのはカメラレンズの直前に取り付けた回転シャッターによるもので、これにより流星の継続時間や速度などを知ることができます。阪口さんのものは1秒間に25回切断できるものです。
■シグマ15mmF2.8対角魚眼レンズを開放絞りにてキヤノンT70で撮影 2000年11月19日04時54分から4分58秒露光 フジカラースーパー400 自宅にて
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