星ナビ・ギャラリー

「星ナビギャラリー」では、天体写真やイラストを紹介していきます。星を見に行った時のスナップや観望会のようすなども送ってください。
 星ナビドットコムでは「星ナビ」掲載作品の中から数点をピックアップして掲載します。小さい画像をクリックすると大きな画像になります。大きな画像からこのページ戻るにはブラウザの「戻る」ボタンを使ってください。

2001年9月号からのピックアップ

 イラストの応募が増えています。様々な手法で描かれたものが集まりましたが、これからイラストをはじめてみようという方のためにもその手法や、使用ソフトなどを応募用紙のアピール欄にお知らせください。

あの頃の星空/加藤詩乃(愛知県瀬戸市)
あの頃の星空/加藤詩乃(愛知県瀬戸市)高枚生の頃、新月近くの週末は、仲間と電車を乗り継ぎ「天体観測」に出かけた。
 「観測」は大義名分。一応、流星観測をしたり天体写真を撮ったりしながらも、晴れても曇っても仲間と一緒に一晩中いられることが嬉しくて楽しくて、それが何よりも大切だった。
 星明かりに照らされた片田舎の小学校の校庭や丘の上は、子鬼のような私たちの楽園だった。

 ぽたりぽたりと光の滴が、夜空に滲んでいたかのような、あの頃の星空。
 鮮やかに塵を散りばめながら消えていった火球。夜空にこだます仲間達の歓声。

 夜が更けて、隣に寝転がっていたあいつも、語り疲れていつの間にか眠ってしまった。そして虫の音がふと止むと、深い深い静寂が訪れる。

 一人見上げた夜空は、広大なる銀河系。
 深淵なる宇宙空間。

 あの頃うんと未来だった21世紀はあっという間にやってきた。
 あんなに仲の良かった仲間は散り散りになって、時々「結婚しました」とか「子供ができました」とかのハガキが来たりする。
 みんなが遠くへ行ってしまったのか、私が遠くに来てしまったのか。

 今でも私はひとり、こうして星を眺めていて、時々あの頃を思い出したりして・・・
 聞こえるはずのないあの頃の仲間の歓声を、夜空に幻のように聞いたりして・・・
 
SMCタクマー67・55mmF3.5広角レンズをF5.6に絞る ペンタックス67 固定撮影 コダックエクタクロームE100Sを+1増感現像 2000年11月4日18時45分から30分露光 長野県下伊那郡駒ヶ根市にて
 
撮影者自身なのでしょうか、星々が軌跡をつくる時間、まるで時間が止まったかのように星空を見上げる人影が印象的でストーリーを感じさせる作品です。
M108/伊藤明彦(大分県日田市)
M108/伊藤明彦(大分県日田市)M97ふくろう星雲のそばに、ぽっかり浮かんだ雲のように見えるM108です。とても不思議な形ですが、これでも分類は渦巻銀河ですね。赤い2つのH?領域が印象的です。
 
タカハシBRC250(口径250mm焦点距離1268mm反射望遠鏡)にて直焦点撮影 ビットランBJ31L タカハシNJP+オートガイダーST5Cにて恒星時追尾 トーカイタイプ?3色分解用フィルター+トーカイLPSP1赤外カットフィルターでLおよびRGB画像を撮像しパソコン上でカラー画像に合成 2001年4月1日20時47分から総露光時間110分(L10分×8、RGB各5分×2 2×2ビニング) キヤノンBJF850にてプリント 大分県日田郡天瀬町にて
 
北斗七星のひしゃく部分のひとつおおぐま座β星近くに位置する視直径8’ほどの明るいエッジオンの渦巻銀河です。伊藤さんは冷却CCDカメラでこの銀河のディテール描写に挑戦していますが、この銀河の特徴である複雑な暗黒帯や点在するH?領域を描出できていて見事です。やや露光不足なのか低照度部分の描写に不満が残りますが、画像処理も自然で好感の持てる作品です。
Blue Moon,Blue Night/川口 勉(兵庫県西宮市)
Blue Moon,Blue Night/川口 勉(兵庫県西宮市)ある夏の終わりに旅した、南の海の小さな島。日が沈んでも重い大気の彼方には、まるで冬のように澄み渡った星空が見えた。やがて昇ってきたFull Moonは、深い深い海の色の光を投げかける。満ちてきた潮がそっと足元を濡らした・・・・
 
沖縄県小浜島にて
 
満月、星空、そして太陽光を照り返すさざなみと積乱雲という3つの作品を合成した意慾的な作品です。星空のなかに柔らかい光を放つ満月、ブルーで統一された画面も美しく、作者の川口さんが感じた沖縄の小島での透明感あふれる星空が表現できたようですね。暗室処理での合成の見事さなどベテランならではの作品です。
さそり座全景と増光中δ星/高田勝次(大阪府松原市)
さそり座全景と増光中δ星/高田勝次(大阪府松原市)増光中のδ星を含むさそり座の全景を切り取りました。低空の対象を含むことになり若干光害の影響を受けていますが、尾の付近もなんとか写し込むことができました。フィルムのスキャニングから画像処理、プリントアウトまで自分ですることにこだわりを持ち行なっています。
 
SMCペンタックス67・105mmF2.4標準レンズをF4.8に絞る ペンタックス67 タカハシNJPにて恒星時追尾 コダックエクタクロームE100S エプソンES2000にてスキャン キヤノンBJF850にてプリント 2001年5月19日23時50分から45分露光 奈良県野迫川村にて
 
昨年6〜8月にさそり座のイメージを変えてしまうほどの増光を見せ話題となったさそり座のδ星です。この星は普段は2.3等ですが、昨年夏は1.8等まで増光しました。この星はスペクトル観測などからカシオペア座γ星型と呼ばれる爆発型変光星に属するものと考えられています。高田さんは、今年の春にも増光を見せたδ星を含むさそり座全景を捉えました。ややコントラストを強調しすぎたきあいがありますが、色調も豊富で作品としても美しく仕上がっています。
P.N.小沢千秋(埼玉県所沢市)
P.N.小沢千秋(埼玉県所沢市)夕ぐれには
行ったことのない場所を思い出させる
二度と行けない場所を空想させる

時々、恐い


満月が太陽の反対側に出ることは
意外なくらい知らない人が多い・・。
みれば わかるのに
みんな 空を見ない。
みんな 星に興味がない
 
草原のなかで向い合う2人。少女の影とおそらくこのイラストに対峙する者の影から、背中に夕日を感じます。とても不思議で見るものを引き込む空間です。

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