星ナビ・ギャラリー

「星ナビギャラリー」では、天体写真やイラストを紹介していきます。星を見に行った時のスナップや観望会のようすなども送ってください。
 星ナビドットコムでは「星ナビ」掲載作品の中から数点をピックアップして掲載します。小さい画像をクリックすると大きな画像になります。大きな画像からこのページ戻るにはブラウザの「戻る」ボタンを使ってください。

2001年10月号からのピックアップ

 先月号に引き続きイラストの応募が多数ありました。個性的な作品が増え、編集部でも楽しませていただいています。10月号では2ページにわたって掲載しています。

M104ソンブレロ銀河/伊藤明彦(大分県日田市)
M104ソンブレロ銀河/伊藤明彦(大分県日田市)去る5月12日はインターネットで知り合った仲間4人が集まって観望会をやりました。場所は私の庭です。その日はとてもきれいな星空でしたので、結局私とHさんはCCDで撮影することになりました。撮影の合間にはニコンの10cm双眼で銀河を散策したり、各種望遠鏡の見え味を比較したり楽しく充実した観望会でした。そのとき撮影したのがこのM104でとても思い出深い銀河です。

タカハシBRC250(口径250mm焦点距離1268mm反射望遠鏡)にて直焦点撮影 ビットランBJ31L タカハシNJP+オートガイダーST5Cにて恒星時追尾 トーカイタイプ3LRGB分解用フィルター+トーカイLPSP1赤外カットフィルターでLおよびRGB画像を撮像しパソコン上でカラー画像に合成 2001年5月12日21時03分から総露光時間130分(L10分×10、RGB各5分×2 2×2ビニング) キヤノンBJF850にてプリント 大分県日田郡天瀬町にて

おとめ座とからす座の境界付近に位置する銀河で、メキシコのソンブレロハットに似ていることから、ソンブレロ銀河と呼ばれています。明るく小口径の望遠鏡でもはっきりこの形状をみとめることはできますが、この作品では星雲をすっぱり切り裂くような暗黒帯のさらなるディテールや意外と大きく広がった淡いハローなどが描写されていて見事です。恒星の描写など不自然さが目立つ画像処理を改善できればさらによくなると思います。
S字・パイプ状暗黒星雲付近/箱根功一(大阪府豊中市)
S字・パイプ状暗黒星雲付近/箱根功一(大阪府豊中市)今回の撮影は特に気合を入れて撮りました。

トミーボーグ125ED(口径125mm焦点距離800mm屈折望遠鏡)+レデューサにて直焦点撮影(合成F4) ボーグ6×9カメラ タカハシEM200赤道儀+オートガイダーST4にて恒星時追尾 コダックエクタクロームE100Sを+2増感現像 フジピクトロスタットデジタル400にてプリント 2000年5月4日01時10分から60分露光 奈良県野迫川村にて
 
S字状星雲はへびつかい座θ星の北側に広がる有名な暗黒星雲でアルファベットの「S」に形状が似ていることからこう呼ばれています。箱根さんはこのS字状星雲とその南に大きく広がるパイプ星雲を同時にフレーミングしています。パイプ星雲は構造も複雑で見ごたえのある暗黒星雲ですが、その存在は淡くカラーでこの作品のようにはっきりと写し出すのは難しい天体です。星像もシャープ感があり見事ですが、強い画像処理のせいか、恒星のエッジ部分の不自然さや、低照度部のノイズなどややデジタルっぽい作品となってしまったのは残念です。
夏の天の川と火星/山本弘(大阪府大阪市)
夏の天の川と火星/山本弘(大阪府大阪市)昔、大台ケ原のドライブウェイが有料だったころから比べれば、ずいぶんと空の明るくなった大台ケ原ですが、それでも大台ケ原の最高峰の日出ヶ岳の眼下に広がる太平洋に面した東から南西の空はまだまだ日本でも屈指の暗い空です。撮影当日も透明度がよく夏の天の川もよく見えましたが、やはり昔の天の川と比べれば見えが悪くなったのは残念です。とは言えまだまだ他地域よりはすばらしい天の川の顔をのぞかせてくれる大台ケ原です。
 
SMCタクマー28mmF3.5広角レンズ開放 フジカST801 ビクセンSPDXにて恒星時追尾 コダックゴールドマックス800 2001年5月20日00時54分から40分露光 奈良県上北山村大台ケ原にてにて
 
今シーズンの天の川中心部には火星が輝いていて多くの人の目を引いています。山本さんは関西の星のメッカ、大台ケ原でたっぷり露光して階調豊かに天の川が表現できていて美しいですね。プリント時にグリーンに偏った色調をうまく補正できれば最高でした。
北天の星空/安田幸弘(埼玉県狭山市)
北天の星空/安田幸弘(埼玉県狭山市)画面中央に北極星と木のシルエットを配置し、星座の形がわかりやすいように短時間で撮影しました。

SMCペンタックス67・35mmF4.5対角魚眼レンズ開放 ペンタックス67 固定撮影 コダックエクタクロームE200を+1増感現像 1999年11月6日22時02分から4分露光 長野県野辺山にて
 
ケフェウス座からぎょしゃ座にかけての秋の天の川を、天の北極を中心に対角魚眼レンズで捉えています。適度な露出時間で作者の狙いどおり星座の形もよくわかります。画面中央に樹影を配したシンメトリ風の構図も成功していて、美しい作品に仕上がっていますね。
佐藤一秀(愛知県小牧市)
佐藤一秀(愛知県小牧市)これは今年の年賀状用に描いた絵です。今年はへび年なので、へび座の絵をアレンジしました。
 
以前はエアブラシなどを駆使しないと難しかったこういった作品が最近はコンピュータ上で簡単に作画できるようになりました。年賀状用に作成したとのことですが、この作品のような美しい年賀状が届くと嬉しくなりますね。宇宙の広がりを感じられるような奥行き感や光の質感を高められるとさらによい作品となると思います。

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