■IC2118/久保田宏(東京都稲城市)
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●自作ソフトにより周辺減光補正と色補正を、その後フォトショップにてレベル補正などを行いました。
タカハシε250C(口径250mm焦点距離854mm反射望遠鏡)にて直焦点撮影 マミヤRZ67 タカハシJP赤道儀+オートガイダーST4にて恒星時追尾 コダックエクタクロームE100S 2001年9月24日02時18分から59分露光 フジピクトログラフィー3000にてプリント 乗鞍岳畳平にて
★遠藤さんのテクニカルパンによるみごとな作品が1月号で紹介されましたが、久保田さんは淡く難しいこの対象をカラーで、しかも淡い部分の表現も遜色なく捉えています。魔女の横顔と呼ばれる所以となった興味深い造形が色彩豊かに表現できていて、カラーならではの素晴らしい作品です。
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■憧れのエータ・カリーナ星雲/川崎誠志(広島県広島市)
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●西オーストラリアの素晴らしい星空の下で憧れのエータ・カリーナ星雲を撮影しました。写野の狭いCCDカメラにカメラレンズを使い、L画像をHαで撮影しました。
SMCペンタックス135mmF3.5望遠レンズをF4に絞る SBIG・ST8E タカハシEM200赤道儀にて恒星時追尾 2002年2月14日23時27分15秒(現地時間)から総露光時間30分(L5分×2、RGB各5分
3×3ビニング) トーカイタイプII 3色分解用フィルター、SBIG・Hαフィルター エプソンPM3000Cにてプリント 西オーストラリア・キービーファームにて
★Hα干渉フィルターを使って撮像した画像を輝度信号としてLRGBカラー合成された作品です。単波長による撮像でHα輝線で輝く星雲のディテールが見事に表現されていますが、それにRGB分解フィルターを用いて撮像した色情報を適応するのは、色情報を持ったカラー画像としてはいかがなものかと思います。擬似カラーの域を脱するなら、露出時間はかかりますが、RをHαとしたHαGBカラー合成としたほうがベターかもしれませんね。
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■大マゼラン星雲/釼正一郎(宮城県仙台市)
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●オーストラリアの星空は素晴らしかったです。
ボーグ125ED(口径125mm焦点距離800mm屈折望遠鏡)による直焦点撮影 PRZ67 タカハシEM200赤道儀+オートガイダーST4にて恒星時追尾 水素増感コダックTP6415 2002年2月10日22時56分から122分露光(現地時間) 西オーストラリア・キービーファームにて
★棒状渦巻銀河のバーの部分をクローズアップにしたような迫力ある作品で、銀河を構成する星々が分解して見えるようです。南半球まで口径12.5cm屈折望遠鏡を持ちこみ2時間近く露光した甲斐がありましたね。
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■冬の轍/武井伸吾(神奈川県川崎市)
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●冬の星々。静かに佇む稜線。足元の雪とほのかな家の灯りに導かれ、冬の轍を見つけにやってきた。
MC-ZENITAR16mmF2.8対角魚眼レンズをF4に絞る セルフィッシュ6×9 固定撮影 コダックエクタクロームE100S 2002年1月13日00時32分から60分露光 長野県川上村にて
★対角魚眼レンズのイメージサークルをフルに活かした円形写野カメラによる作品です。武井さんらしいおもしろいアプローチです。目線をぐっと下げて「冬の轍」が印象強く表現されましたが、逆に星空の印象が弱く寂しくなってしまいました。残雪を浮かび上がらせるためにフラッシュを使用したものと思われますが、カメラの影はマイナイスポイントです。注意してください。
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■流星群/P.N.小沢千秋(埼玉県所沢市)
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空の 向こうは
宇宙ではなく
別のところ
どこか深いところへ
つながっている気がする
そこへ
おちてゆきそうな気がする
★まるで画面に吸い込まれていきそうな錯覚をおぼえる作品です。時間が止まったかのように流星雨に見入る少女が印象的ですね。もしれませんね。です。
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