締切の関係で本誌では提供できなかった最新情報を掲載します。

いて座新星2001

2001年 2月24日にチリのLillerが焦点距離85mmレンズで撮影したフィルム上から「いて座新星2001」を発見しました。発見時の光度は7.7等(IAUC 7589)。

いて座新星2001の位置

赤経 17h54m40s.46 (J2000.0)
赤緯 -26o14'15".2

7等級台といえば、小口径の望遠鏡でも十分に確認できる明るさです。光度変化にもよりますが、位置をしっかりと確認して望遠鏡を向ければ、赤みがかった色をした新星を確認できることでしょう。

26日未明のいて座新星
(写真)2月26日未明のいて座新星
18cmF5.5反射+冷却CCD, 10秒露出/門田健一(埼玉県上尾市)
わずか10秒露出でブルーミングしそうなくらい明るいです。

以下に新星確認前に報じられたVSOLJニュース (049)を転載します。

VSOLJニュース (049)

チリのLillerがいて座に新星らしき天体を発見

著者 :加藤太一(京大理)
連絡先:tkato@kusastro.kyoto-u.ac.jp

 京都大学の運用する国際変光星ネットワーク(VSNET)への報告によれば、チリの Liller がいて座に 7.7等の新星らしき天体を発見しました。概略位置は以下の通りです。

17h 54.7m (J2000.0)
-26o 14'

 天体は、2001年 2月24.3687日と24.3709日に 85mmレンズ(オレンジフィルター 付き)で撮影されたフィルム上に発見されました。2月14日に撮影された写真には11.0等より明るい天体は見当たらないとのことです。まだ確認が依頼されている 段階ですが、もし実在の天体であった場合は、新星である可能性の高い天体と思われます。

2001年 2月25日

位置は下図のとおり。

いて座は明け方の南東の空に昇ってきます。新星は干潟星雲(M8)のから約3°南西のところです。

星図

26日未明現在、明るさは眼視で9等と報告されています。今後の光度の追跡は貴重な観測となります。明るさの変化に注目しましょう。

撮影・撮像に成功された方は、ぜひ星ナビギャラリーへお送りください。観測報告もお待ちしております。

(2001年2月26日更新)


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