HALLEY'S DIARY

HALLEY's Diary は、私の天体観察日記です。
天体を見て感じたことを自分勝手な視点で気ままに書いていきます。

特別編 1996B2 百武彗星観測日記

特別編 1995O1 ヘール・ボップ彗星観測日記



★1996年9月15日(日)

 いつもの観測場所である千葉県再南端、南房白浜へ。昨夜は雲が多く、昼間の(釣三昧)疲れもあって早々と就寝。今日は昼過ぎから雲一つない快晴となった。子供にせがまれて夕方まで再び釣りを楽しみ、夕食後出撃した。観測場所は3月にあの百武彗星を撮影した、海際の駐車場だ。薄明が終わると南の空には木星が煌々と輝き、夏の天の川が水平線のすぐ上から立ち上っている。ふと目をやるとヘール・ボップ彗星の淡い光が目に飛び込んできた。あ、これだなっていう感じですぐ分かる。双眼鏡を取り出して見ると、相変わらず強い中央集光とやや扇型に広がったコマ(尾?)らしきものも容易に認められる。
 さっそく赤道儀を取り出して撮影にかかることにした。今回の器材はサンニッパのみ。いつもよりは軽装なため、設定はあっという間に完了(まあ、そういうときに限って失敗するもので…)。どこでどう間違えたか、現像が上がってきた写真を見ると、恒星が点像に写っていない(えーん!極軸の設定ミスです)。ま、そういうこともありますわな。
 というわけで、以下にこの日撮影したヘール・ボップ彗星の写真を載せておきます。
 縦位置の写真には左上にへびつかい座の球状星団M14も写っています。

C/1995 O1 Hale-Bopp(Sep. 15 )

[128K/JPEG]
PENTAX Z1 300mm F2.8 Fuji Super G800 film
15min Exposed
Shirahama / Chiba / Japan

C/1995 O1 Hale-Bopp(Sep. 15)

[131K/JPEG]
PENTAX Z1 300mm F2.8 Fuji Super G800 film
5min Exposed
Shirahama / Chiba / Japan


 ヘール・ボップ彗星 全光度5.2等級 最微星5.5等(肉眼) コマ視直径約20′ 使用器材10×70双眼鏡

 さて、南の空に輝く木星が球状星団M22に接近しています。双眼鏡では木星の光が強すぎて、なかなか見にくいのですが、写真にはしっかり写っていました。この写真も以下に載せておきます。

木星と球状星団M22

[48K/JPEG]
PENTAX Z1 300mm F2.8 Fuji Super G800 film
2min Exposed
Shirahama / Chiba / Japan



★1996年8月24日(土)

 昨日から長男の慧太が夏休みのサッカー合宿で茨城県の鹿島へ出かけた。カミさんも一緒に行ってしまったので、わが家は次男の陽介と初めての2人きりの夜。初めのうちこそ寂しそうにしていた陽介だったが、テレビでやっていた「グレムリン2」を楽しむうちに、そのまま寝てしまった。さて、今日は鹿島まで陣中見舞に…。
 夕方になって、快晴の鹿島の空でヘール・ボップ彗星を観測。月明りをものともせず。しっかりした中央集光が認められ、周辺のコマもよく分かる。手早く切り上げて帰宅。

 ヘール・ボップ彗星 全光度5.4等級 最微星4.5等(肉眼) コマ視直径約15′ 使用器材10×70双眼鏡



★1996年8月21日(水)

 G光学の八ヶ岳観測所へ、アストロアーツのスタッフ4名でお邪魔した。東京を出発したときは空は晴れていたのに、現地に近づくに連れて徐々に雲の量が多くなり、須玉インターあたりから見ても八ヶ岳は雲の中。結局、その晩は何も見ることができずじまい…。泊まっていくというG光学のTさんやうちのスタッフらに別れを告げて、深夜の中央高速を一人爆走し、自宅に帰った。あ〜あ残念! 是非リターンマッチに挑戦したいものだ。



★1996年8月17日(土)

 結局、11日から14日までの旅行ではヘール・ボップ彗星を撮影することが出来なかったので、改めて出撃することにした。目的地は野辺山の電波観測所付近。午後3時に東京の自宅を出発し、野辺山についたのは午後5時半。ところが、霧が深く、しかも土砂降りの状態。これはいかんと、国道141号を北上することにした。八千穂の手前で、八ヶ岳高原ゴルフ場の看板を見つけ、きっと視界が良いだろうと判断し、そちらへ向かった。くねくねとした細い山道をカッ飛んで、ようやくクラブハウスにたどり着いた瞬間!ガガーン!何とナイターの照明がまばゆいばかりに輝いているではないか!ええい!こんなところにも光害が!
 慌てて元来た道をとんぼ返り、一気に麦草峠へ向かうことにした。峠近くのドライブイン(?)についたのは午後9時ごろ、頭上にはたくさんの星が光り輝いていた。さっそく赤道儀を設置し、南の空のヘール・ボップ彗星を撮影した。1時間程であたりは霧に包まれてしまったが、この夏はじめての満天の星空に満足して帰路についた。
 以下にこの日撮影したヘール・ボップ彗星の写真を掲載しておきます。

C/1995 O1 Hale-Bopp(Aug. 17 )

[93K/JPEG]
PENTAX Z1 300mm F2.8 Fuji Super G800 film
5min Exposed
Mugikusa touge / Nagano / Japan

C/1995 O1 Hale-Bopp(Aug. 17)

[62K/JPEG]
PENTAX LX + リヒテンネッカー500mm F3.5 Fuji Super G800 film
5min Exposed
Mugikusa touge / Nagano / Japan


 ヘール・ボップ彗星 全光度5.4等級 最微星5.5等(肉眼) コマ視直径約15′ 使用器材10×70双眼鏡




★1996年8月13日(火)

 長野県伊那市に移動、ここはうちのカミさんの田舎だ。夕方から庭でバーベキューパーティーで盛り上がる。天気は幸か不幸か呑曇り。たらふく食べて一息ついたころに西の空から雲が切れはじめてきた。慌てて双眼鏡を取り出し、南西の空のヘール・ボップ彗星を観測した。雲の流れは速いものの、晴れ間が1時間ほど続いたので、親戚一同で流星見物、マイナス等級の明るいものを5個ほど目撃。歓声をあげる。

 ヘール・ボップ彗星 全光度5.4等級 最微星5.5等(肉眼) コマ視直径約15′ 使用器材10×70双眼鏡




★1996年8月12日(月)

 今日もまた昼間はカンカン照りの夏の日差しが目に痛い。しかし、何とか晴れて…の期待もむなしくやはり夕方からは雲が出てくる。それでも、南の空の雲間からヘール・ボップ彗星を観測できた。その後はまた曇ってしまったが、午前1時半ごろから1時間ほど、星空を見ることができた。雲がかなり多いので写真撮影は断念したが、約1時間の間に明るい流星を10個程目撃した。

 ヘール・ボップ彗星 全光度5.5等級 最微星5.3等(肉眼) コマ視直径約15′ 使用器材10×70双眼鏡




★1996年8月11日(日)

 ペルセウス座流星群を撮影するために、長野県駒ヶ根市までやってきた。ここは、毎年この日に予約を入れているホテル(?)だが、さすがに3年目ともなると、こちらの要望に合わせて駐車場の夜間照明を消してくれる。大変ありがたいことだが…せっかくの気遣いも今年は無用のようで、昼間はカンカン照りになるものの夕方になると雲が出てきて、全天を覆ってしまう。結局、この日はヘール・ボップ彗星もペルセウス座流星群も観測できないまま、夜が明けてしまった。




★1996年8月3日(土)

 昨夜は曇り空で、木星すら見ることが出来なかった。というわけで今夜こそ、の期待をしていたのに…相変わらずガスが発生し、状態は最悪。月が彗星から遠くなり、しかも、だんだんと欠けてきているので、イメージはずいぶん良くはなったが…やはりガスを通してでは満足なイメージは望めない。やはり、この時期は高原へ行かなくては駄目なのだろうか?

 ヘール・ボップ彗星 全光度5.8等級 最微星4.5等(肉眼) 使用器材7×50双眼鏡



★1996年8月1日(木)

 この時期の海の天気は非常に不安定だ。昼間は青空が広がり強い夏の太陽がジリジリと照りつけるのだが、夕方になって気温が下がってくるとガスが出てくるのだ。これは毎年のことなので、覚悟はしていたのだけど…去年は夕方にザッ雨が来て、そのあとはスカッっと晴れてくれたのに、今年は駄目!。雨が降らない代わりにいつまでもガスが晴れてくれないのだ。結局、この日もヘール・ボップ彗星は雲間からチラッと見えただけに終わってしまった。


 ヘール・ボップ彗星 全光度5.9等級 最微星4.0等(肉眼) 使用器材7×50双眼鏡 月明り



★1996年7月31日(水)

 退社後、千葉白浜へ向かう。平日のせいか道路はかなり空いていて、東京の自宅を出発後2時間15分で現地に到着。南の空には木星が見えているが、うっすらと雲が広がり、東には大きな月があって夜空のコントラストはかなりひどい状態だ。ヘール・ボップ彗星はとても肉眼で見える状態ではなく、ちょっと残念な感じだ。さっそく、7×50の双眼鏡で木星を起点に探してみると…あります、あります。予報通りの位置にふわっとした感じの塊が…光度は6.0等級というところでしょうか?中央集光は比較的強い感じですが、コントラストが悪いせいで、なかなかコマの広がりが見えません。そうこうしているうちに、全天雲に覆われてしまいました。ま、いいか。まだ日にちはあるんだから…。

 ヘール・ボップ彗星 全光度6.0等級 最微星3.5等(肉眼) 使用器材7×50双眼鏡  月明り



★1996年7月28日(日)

 観測に備えてちょっと整理しようかと…真昼のドームに入ったとたん、あまりの暑さに笑ってしまった。まあ、なにもせずにじっとしていれば、耐えられるけど、とても物を片付ける気になんてならない程の暑さなのだ。こんな状態では器材が痛んじゃうんじゃないの?って心配になるほどの状態だ。
 結局何も手をつけずにそのままにしてしまったが…そのうち(秋にでもなったら)再挑戦しようっと!
 さて、夕方からは大きな月が昇ってきて…月はきれいだけれど…おかげでヘール・ボップは見えないじゃないの。
 31日の夜からは千葉の南端へ出かけるので…それまでおあずけかな?


★1996年7月24日(水)

 このところ天気が悪く、しかも仕事が忙しくて、なかなかリヒテンネッカーの試写が出来ずにいる。今日もあまり天候は良くないようだが…夕方からでも晴れてくれないかなあ。



★1996年7月16日(火)

 屋上のドームに設置してあったセレストロンC14を降ろして、リヒテンネッカーに載せ替える作業は、一人では結構大変だ。25キロ以上もあるC14は重いだけでなく大きさも半端じゃないからだ…。で、結局作業が終わったらヘール・ボップ彗星は西の空に低くなっていて、試写どころの騒ぎじゃない状態。こと座のM57でも撮ろうかと筒を向けようかと思ったら、ファインダーがないのに気がついた。慌ててC11のファインダーを外して、付け替えたのだけど…雲がかかってしまってアウト!ついてないなあ。



★1996年7月15日(月)

 昨夜は雨のために観測はお休み。ヘール・ボップ彗星観測用に某社から借用してきた、リヒテンネッカー(口径15センチ、焦点距離500ミリのアストロカメラ)の調整を行った。明日は晴れそうなので、とりあえず試写する予定。



★1996年7月14日(日)

 今世紀最大と言われるヘール・ボップ彗星がずいぶんと明るくなってきた。双眼鏡を使えば東京の空でも何とか見える明るさだ。6等級といえば、彗星としてみれば十分明るい状態だし、本当ならとっくに観測を始めているはずなのだが、未だに観測体制すら準備できていない。きっと3月に見えた百武彗星のせいだ。あの、美しく明るい彗星を見てしまったために、6等級じゃまだまだ暗いなって思ってしまっているせいに違いないのだ。
 結局、今夜も双眼鏡で位置を確認するだけになってしまった。東京の空の下では、まだまだ見事と言うほどの姿ではないけれど、それでも明るく集光した核と、それを取り巻くコマがしっかりと確認できる。きっと、きれいな空の下ではもっと大きく広がって見えるんだろうな…。と思いつつ就寝。


HALLEY'S HOME PAGEに戻る