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★星空を見るのに適した双眼鏡を探そう

 スターウォッチングに使う機材としてもっとも手軽なものが双眼鏡です。普通、天体を観察する機材というと、すぐに天体望遠鏡を思い浮かべますが、明るく大きな星雲や星団などの観察は、視野が広い双眼鏡に分があります。
 双眼鏡で星空をのぞくと大きく見えます。これは誰でも知っていることですが、別項でも述べたように、肉眼では見えないような暗い星が見えるようになることを知らない初心者も多いのです。
 では、どんな双眼鏡がスターウォッチングに適しているのでしょう?

 双眼鏡は、その光学系によって、ガリレオ式、ダハプリズム式、ポロプリズム式の3タイプに分けられます。
 ガリレオ式の双眼鏡の代表としては、観劇やスポーツ観戦に便利なオペラグラスがあります。このタイプは、構造が単純で小型軽量、しかも価格が安い、と三拍子揃っていますが、視野が狭く倍率も低いので、スターウォッチング用としてはあまり適当ではありません。

 ダハプリズム式とポロプリズム式は、基本的なレンズの構成は同じです。対物レンズで集めた光を接眼レンズで拡大するもので、屈折式天体望遠鏡と同様の光学系です。ただ、そのままでは像が倒立してしまうので、光路の途中にプリズムを入れることで正立像になるように工夫しているのです。そして、この時に使うプリズムの種類によって、タイプが分かれているというわけです。

 ダハプリズム式はコンパクトで携行性に優れていて、最近ではお洒落なデザインのものも発売されています。しかし、口径の大きいものが少なく、ポロプリズム式に比べると、やや視野の狭いものも多いので、選択時には注意が必要になります。

 スターウォッチング用に、最もお勧めできるのがポロプリズム式の双眼鏡です。このタイプは、口径3センチくらいから口径10センチ以上のものまで、さまざまな口径、倍率のものが販売されています。それだけに、選択に迷ってしまいがちですが、はじめて購入するなら口径4〜5センチで倍率7倍前後のものの中から、自分にあった大きさや価格のものを選ぶようにするといいでしょう
 さて、双眼鏡とともに用意しておいてほしいのが三脚です。手ぶれ防止はもちろん、グループなど複数でスターウォッチングを楽しむためには欠くことのできないものです。ガタつきのない、しっかりしたものを選ぶようにしましょう。なお、双眼鏡を三脚に取り付けるためのアダプターは、自作することも可能ですが、そう高いものでもないので、各社の専用品を購入してしまったほうが、強度的にも、見た目にも安心です。

 双眼鏡を使用する際には、常に視野の広さを意識するようにしましょう。双眼鏡には実視界(のぞいたときに1度に見渡せる範囲)が表示されているので、自分がどのくらいの範囲を見ているのかを知ることができます。

 

 双眼鏡は携行性に富み、気軽に旅先へ持っていくこともできますし、将来的に天体望遠鏡を購入したとしても、双眼鏡の方が観望に適している天体も数多くありますので、決して無駄になることはありません。さらに、多少手荒く扱っても10年以上は確実に使えますので、できるだけよいものを選ぶようにしましょう。名のとおった光学機器メーカーのものなら、たとえ万一のことがあっても修理が確実なので安心です。



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