太陽探査機パーカー・ソーラー・プローブ、2つの記録更新

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NASAの太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」が10月末、太陽への接近距離と太陽に対する速度の2つについて、人工物としての新記録を約40年ぶりに更新した。

【2018年11月1日 NASA BlogNASA

2018年8月12日に打ち上げられたNASAの太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」の運用チームでは、探査機の速度や位置を計測するために、NASAの深宇宙ネットワークから探査機に繰り返し信号を送っている。

その信号が戻ってくるタイミングや信号の特徴の情報などを元にした計算から、日本時間10月30日午前2時ごろに探査機が太陽の表面から約4273万km(太陽の半径の約60倍)の距離を通過したことが確認された。これは、1976年4月に太陽へ接近した独・米の探査機「へリオス2」が保持していた、人工物の太陽への最接近記録(約4343万km)を約40年ぶりに更新する記録だ。

また、日本時間10月31日12時ごろに探査機の速度(太陽に対する相対速度)が時速約24.7万kmを超えていたこともわかり、同じくヘリオス2が達成していた記録(時速24.7万km)を塗り替えたことも明らかになった。

パーカー・ソーラー・プローブのイラスト
太陽へ向かって飛行中のパーカー・ソーラー・プローブのイラスト(提供:NASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben)

パーカー・ソーラー・プローブは10月31日から太陽への接近飛行を開始しており、第1回目となる太陽への最接近を11月5日に迎える。2024年に計画されている最終接近では、太陽の表面から600万kmほどしか離れていない距離を飛行し、速度は時速69万kmに達する見込みである。つまり、今回の新記録は今後パーカー・ソーラー・プローブそのものによって、さらに大幅に更新されることになる。