早水さんが星食観測への貢献で「ホーマー・ダボール賞」受賞
【2017年10月3日 IOTA】
全世界の星食関連の研究者や観測者で作られている世界掩蔽観測者協会(IOTA)が、星食のサイエンスやIOTAに対して顕著な貢献をした研究者や観測者を表彰する「ホーマー・ダボール賞」の2017年の受賞者が発表され、鹿児島県の早水勉さんたち5名が選出された。2012年の宮下和久さん以来、日本からは2人目となる。
早水さんは薩摩川内市の「せんだい宇宙館」館長として天文普及活動に携わるかたわら、小惑星による恒星食の観測を精力的に続けており、同時に日本の観測成果のコーディネーター(取りまとめ役)としても貢献されている。今回の賞は「永年にわたる 小惑星による恒星食の 各地域におけるコーディネーションと継続的な恒星食測定の貢献」に対して、早水さんのほかBrad Timersonさん(北アメリカ地域)、Eric Frappaさん(ヨーロッパ地域)、John Talbotさん、Steve Kerrさん(オセアニア地域)に贈られる。
早水さんの受賞コメント
「ホーマー・ダボール賞」受賞のお知らせは、私にはまったく想定外のことでした。おそらく、私の生涯において、最も重要な意味を持つものになることと思います。
受賞は、他の4地域の星食コーディネータと共に、小惑星による恒星食の観測の取りまとめと測定に関しての努力を評価いただいたものでした。従いまして、今回の賞は、日本の観測者と共にあるものと感謝申し上げます。
共に受賞したBrad、Eric、John、Steveには心よりお祝いを申し上げます。
星食観測は、アマチュアが研究に寄与する分野として際立っています。中でも、日本は国土が南北に長く、多くの優秀なアマチュア観測者が大勢存在することに特徴があり、星食観測に適した環境があります。北半球における、欧州と米国と日本で全天をカバーする点でも重要なポジションにもあります。日本は、今後も星食観測において、重要な役割を果たし続けることでしょう。私もその一翼を担うべく今後も尽力したく存じます。
できることなら、この賞を2年前に若くして逝去した瀬戸口貴司氏とともに受賞したかったです。彼は、重要な予報を計算し、解析の方法を私たちに教えてくれました。改めて生前の氏の業績に敬意を表し、受賞の喜びを分かち合いたいと思います。
〈参照〉
- IOTA:The Homer F. DaBoll Award: 2017 Award Recipients: Regional Coordinators for Asteroidal Occultations
〈関連リンク〉
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