あなたの観測が天文学研究に寄与、新望遠鏡「eVscope」

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米・SETI研究所と仏・Unistellar社により、天文ファンによる観測が最先端の天文学に寄与する新しい望遠鏡「eVscope」の商品化が進行中だ。

【2017年11月10日 SETI Institute

クラウドファンディングによる資金調達を行うウェブサイト「Kickstarter」に、新型望遠鏡「eVscope」が登場した。

仏・Unistellar社製のeVscopeは口径4.5インチ(約110mm)、焦点距離450mmの望遠鏡である。非常に暗い天体の光を蓄積してアイピースに送り、極めてシャープで詳細な画像を作り出す技術「Enhanced Vision」により、大口径反射望遠鏡に匹敵する集光力が得られ、これまでアマチュア天文ファンには手が届かなかった天体の驚異的な姿を見ることができるという。倍率は、50倍、100倍、150倍の3段階に変更可能だ。

eVscope
eVscope(提供:Kickstarterプロジェクトページより)

「これまでは本やオンライン上でしか見られなかった天体をリアルタイムで見ることが可能になります。アマチュア天文学に革命をもたらすでしょう。このコンパクトな望遠鏡で、冥王星よりも暗い天体を口径1m望遠鏡に匹敵する感度で観測することができるのです」(Unistellar社CEO Laurent Marfisiさん)。

わし星雲
わし星雲(M16)の画像の比較。(左)通常の望遠鏡、(右)eVscope

また、GPS装備の自律的視野検出機能により、視野内の星を自動的に検出して2000万もの天体の座標データベースと比較して向きを特定し、6軸コンパス/加速度センサーと電動の経緯台式架台によって望遠鏡を自動的に目標天体の座標に合わせることができる。一般的な天体自動導入と異なり、アラインメントは完全自動で行われる。

さらに、eVscopeの購入者はキャンペーンモードをオンにすることで、市民科学者として天文現象の観測に参加することができるようになる。超新星爆発や地球に接近する小惑星といった突発的な現象などについて、ユーザーのスマートフォンに観測依頼が届くという仕組みだ。観測データは自動的にSETI研究所本部に送られ、最新の機械学習アルゴリズム使った新発見や新現象の検出を目的とした解析に利用される。

eVscopeのクラウドファンディングは今月24日までだが、現時点で目標額の10倍以上もの資金を獲得している。価格は1999ドル(日本への送料は99ドル)で早期購入割引もあり、出荷は来年11月の予定である。

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