チタでの日食シミュレート結果
ハバロフスクから飛行機で2時間、チタは古くからある工業都市の1つである。
現在人口は35万人。北緯55度のこの町の今年の最低気温は2月に
記録したマイナス39度だそうだ。日食当日の明け方はマイナス22度、
日食直前でもマイナス17度だ。
たとえ日曜日でも,町の工場の煙突から煙が絶えることは無い。
そのため夜空は町外れでも天の川がやっと見える程度だ。
しかし、街灯のほとんどがナトリウム灯なので水銀灯のいやらしい
緑色のかぶりは無い。おかげで、見事なヘール・ボップ彗星の姿を
捕らえることができた。
日の出前に空はうろこ雲に覆われる。観測隊の恨めし気な目に応えてか、
日の出の方向に「太陽柱」が現れた。写真ではわかりにくいが
サーチライトの様な赤い光がまっすぐに立ち昇るように輝いている。
太陽柱は気温が低く風が無い特殊な条件下でないと見えないそうだ。
雲は日の出には雲は薄くなり、第一接触前から薄雲が残る程度になった。
現地時間9時59分、すっかり夕闇に包まれた空に上下に伸びた
ダイヤモンドリングを見ることができた。
第2接触 QTムービー 963k
皆既中は水星、金星がよく見えたが、肝心のヘールボップを見ることは
できなかった。ツアーのメンバーの中には彗星を見ることができた者もいたが、
レポータはあきらめが肝心とコロナを堪能していた。
2分16秒で皆既は終わり再び上下に延びたダイヤモンドリングが現れた。
第3接触 QTムービー 831k
また、今回は薄雲があったせいか、本影錐をはっきり見ることができた。
本影錐 QTムービー 1,183k