【1998年2月16日 NASA発】
木星や土星の鮮明な画像を見せてくれた惑星探査機ボイジャー1号を覚えているだろうか。このボイジャー1号が日本時間で1998年2月18日午前3時10分をもって人類最遠の地に到達する。これまではパイオニア10号が最遠の人工物だったが、速度がより速いボイジャー1号がこれを追い越したことになる。
ボイジャー1号は冥王星軌道を遥かに超え約100億kmの彼方にあるが、未だに太陽磁場の観測を続行し、太陽系外縁に関するデータを送り続けている。この太陽磁場が及ぶ範囲を太陽圏と呼んでおり、恒星間ガスとの境界面では衝撃波が発生しているのではないか考えられているが、これまでは検証する手段がなかった。
ところがボイジャー1号が数年後に、この太陽圏の境界面に達するため、天文学者達は貴重なデータが得られるのではないかと期待している。ボイジャー1号に積まれている原子力電池は2020年まで動作可能なように設計されているため、まだまだ骨を休める時間は無いようだ。