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渦巻き銀河のスターバースト


【1998年 3月25日 NASA】

渦巻き銀河の中心部でスターバースト(多数の恒星が集中的に誕生する現象)が起きている様子をハッブル宇宙望遠鏡が鮮明に写し出すことに成功した。
この撮影は昨年の8月に行われたもので、アマチュア天文家に開放されたプログラムのうち最後のものである。
撮影された渦巻き銀河は、はと座にある4000万光年彼方のNGC1808。通常渦巻き銀河は偏平な円盤状だが、このNGC1808は、外周のダストや腕の部分が湾曲した形になっている。これはNGC1808のすぐ近くにあるNGC1792とかつて、接近していたことを示している。お互いの重力により相互の物質が引き寄せられて現在の形状になった。NGC1808の中心部で見られるスターバーストは、こうして引き寄せられた多量ガスが流れ込んだために起きたと考えられている。

NGC1808 Grand base telescope NGC1808 HST

右)地上の望遠鏡で撮影したNGC1808。今回撮影されたのは中心部の拡大

左)今回撮影された画像。


画像は赤色と赤外の合成画像で、スターバーストの様子を鮮明にするために擬似カラーになっている。青い点々が生まれたての星団で、多量のダストに包まれている。最大の星団は直径100光年あるが、残りは10光年から50光年程度の大きさである。黄色い点々は年老いた星団を示している。周囲のフィラメント状のダストはスターバーストの領域にあった大質量星が超新星爆発を起こした際に撒き散らしたもの。スターバーストの領域の大きさは差し渡し3000光年。
近年の研究により銀河同士の接近や衝突などによるスターバーストは、それほど珍しい現象ではない事が分かってきており、銀河の進化などの理論が見直されている最中である。

なお、詳細は http://oposite.stsci.edu/pubinfo/pr/1998/12/ にて公開されている。



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