【1998年8月28日 NASA】
ハッブル宇宙望遠鏡は、70億光年彼方にあると思われる銀河団を発見した。これは、いままでに観測された中で最も遠くにある銀河団だ。これほど遠くに銀河団が存在するということは、ビックバンによる宇宙のはじまりから、かなり早い時期に銀河団のような宇宙の大規模構造ができ上がっていたことを示し、宇宙の進化のようすを詳しく知る手がかりになりそうだと、天文学者達の期待が集まっている。
現在の宇宙の膨張が今後も続くかどうかは、宇宙全体の重さがどれだけあるかにかかっている。最新の理論によれば、今回の発見のように宇宙の初期に大規模構造が出来上がるためには、宇宙は今後も膨張を続けるほど軽くなくてはいけない、としている。
銀河団までの正確な距離は、今後地上の望遠鏡と連携して計測される。
(左) おとめ座方向の40億から60億光年の距離にある渦巻き銀河や楕円銀河の銀河団。青白い星雲は、はるか手前にある星雲と考えられる。また、もっとも大きい銀河は我々の銀河系と同じ大きさである。
(右上) アンドロメダ座方向の40億光年かなたの銀河団。宇宙が現在の年齢の3分の2程度の頃の姿を示している。
(右下) 70億から100億光年彼方の銀河団。最も遠い銀河団のひとつ。
□ニュースリリース(英文)
http://oposite.stsci.edu/pubinfo/pr/1998/27/