【1998年9月4日 NASA】
月の南北の両極には総計60億トンの氷が眠っているのではないか、と月面探査機ルナ・プロスペクターで観測を続けている天文学者らが発表した。
ルナ・プロスペクターは月の周回軌道上で観測を続けており、搭載した中性子分光計を使って月の表面を観測している。この計測器は月表面の岩石などの組成を調べることができる。その結果南極と北極に水素が異常に多いことが判明した。太陽風で運ばれてきた水素が凝縮されたものではないかとも考えられたが、現在では月に彗星が落下し、両極にあるクレーターの日に当たらない部分に水の氷があるのではないかと考えている。他の成分の調査結果も、この彗星起源説を裏付けるものとなっている。
また、月の中心に直径300kmの鉄のコアがあるのではないかと考えられるデータも得ており、鉄のコアは無いだろうという従来の説がくつがえされる可能性もでてきた。
□ルナ・プロスペクター・ホームページ(英文)
http://lunar.arc.nasa.gov/