星空の下でステラナビゲータを使う
星座早見盤と星図は天体観測の必需品だ。しかし、ステラナビゲータが入ったノートパソコンは、より便利で簡単に扱える星座早見盤と星図になってくれる。
(図1)ナイトビジョンに切り替えると、星図以外が赤く表示される。
(図2)アニメーション間隔を内部時計に設定すると、リアルタイムの星空が表示される。
しかし、そこで問題になるのがノートパソコンの電源。キャンプ用品などを扱うお店には100VのAC電源がとれるバッテリーを扱っているので、これらを用意しておくといいだろう。汎用の電源なので他にもいろいろ役にたつ。
次に問題になるのが、ノートパソコンの液晶のバックライトだ。普段は気にならないが、星空の元では、とても明るくて星を見るどころではなくなってしまう。ステラナビゲータには「ナイトビジョンモード」(図1)があり、目にやさしい表示にすることもできるが、空の本当に暗い場所では、これでも明るすぎてしまう。そこで、赤いセロファンや、赤い透明アクリル板などで液晶パネルを覆ってしまうのがベストだ。せっかくの星空が液晶のバックライトで目がくらんでしまっては元も子もないうえに、周囲に他の天文ファンが観測をしている場合、明かりはとても迷惑なものになるので、この対策は大切だ。
さて実際の活用だが、まずは「内部時計」の設定(図2)でアニメーションしておこう。この設定をしておくと、パソコンの内部時計に合わせてリアルタイムで画面を変更するので、天体の出没を簡単に再現してくれる。西の空の天体はどんどん高度が低くなって、反対に東の空からは天体が昇ってくるようすがひと目でわかるわけだ。なお、パソコンの時計は、木星の衛星を見るのでなければ、10分程度の違いなら実用上は差し支えない(パソコンの時計は狂いやすいが、そう神経質になる必要はないということだ)。
次に、天体観測の初心者ならば、どこにどの星座があるのかを調べる必要があるだろう。星座早見盤は手軽だが、日時をあわせたり、月や惑星の位置が表示されないといった問題がある。ステラナビゲータならば、夜空そのままを再現しているので星座探しも簡単だ。また、家族や仲間に星座を説明するときに、パソコンの画面で説明してから実際の夜空を見せてあげるととてもわかりやすい。
今度は、星雲・星団を探してみよう。夜空の中から星雲星団をひと目で見つけるのは至難の技だ。たいていは付近の明るい星をたどりながら目的の星雲星団を見つけることになる。ステラナビゲータで目的の天体を表示してみよう。「名前で検索」(図3)を使えば、見たい天体を簡単に画面に表示できる。ここがパソコンの優れたところで、懐中電灯を片手に星図をめくるのに比べたら時間を大幅に節約できる。ここで、表示範囲を拡大したり縮小して、付近の目立つ星がわかるように設定する。
次に、「視野円・写野角」で、双眼鏡やファインダーにあわせた円を表示する(図4)。双眼鏡でどのくらいの範囲が見えているかがはっきりわかるようになる。あとは、一番目立つ星から、星の並びをたよりに星雲星団を探せばいいのだ。また視野を180度回転させることもできるので、ファインダーによる導入の時に便利だ(液晶を反対側から見るのもいいだろう)。
これは、かなり面倒な作業ではあるが、双眼鏡の視界に星雲・星団が入ってきたときの感激はひとしおだ。
なお、ノートパソコンを野外で使う際には、結露にも十分注意しよう。