天体望遠鏡をコントロール
パソコン接続に対応した望遠鏡があれば、天体観測がより簡単になる。従来の望遠鏡で星雲・星団を見るためには、星の並びや目盛環をたよりに手動で星雲・星団を探していた。これには慣れと経験が必要で、この操作をマスターすることが天体観測の大きなハードルとなっていた。
そして、90年代になって、マイクロコンピュータを搭載し、天体を自動導入できる望遠鏡が発売された。これらの望遠鏡はハンドコントローラから天体の名称を指定するだけで、その天体を導入する機能を備えている。どんな天体があるかがわかっていれば、とても便利なものだ。しかし、星遊びの初心者ではどの天体が見えているのかすらわからないのが現状だ。これでは、せっかくの機能も宝の持ち腐れとなってしまう。そこで、天文シミュレーションと望遠鏡とを接続(図1)して、見たい天体を簡単に指定できる機能を利用することになる。
際には、パソコン対応の望遠鏡とノートパソコンをRS232Cケーブルでつなげば、あとはステラナビゲータの画面に表示された天体をクリックしていくだけで、次々と天体が導入されていく(図2)。
天体の導入精度は望遠鏡メーカー各社によってまちまちだが、初期設定をいかに正確に行えるかが導入精度をあげるポイントのひとつになっている。この点については望遠鏡のマニュアルを熟読しておくことをお勧めしておく。それでも、誤差がでてくるので、そのときは「シンクロ」機能を使って、誤差を修正することができる。つまり、どのくらいずれているかを望遠鏡に教えてあげるわけだ。ただし、間違えて設定してしまうと、とんでもない方向に向いてしまうので注意したい。
また、導入精度が低いときには、視野の中心から外れても天体が視野の中に入るように、低倍率のアイピースで見ることをお勧めする。
どの天体をどのような順番で見ていくかについては、これまで説明してきたことと同じだ。最初は「星雲・星団」の設定項目で、双眼鏡で見やすいものに絞って見ていけば、初心者でも見やすいものが多いので楽しめるだろう。
後は天体によってアイピースを交換して倍率を変えたりして、次々と夜空の宝石たちを楽しむことができる。