皆既月食を記録に残そう
月食をデジタルカメラで撮る
近頃はやりのデジタルカメラ(以下デジカメ)は、フィルムによる撮影とは違い、現像などのプロセスを経ず、撮影後すぐに画像が見られるなどの手軽さが受けているようだ。 また、パソコンに画像を取り込んで、画像処理を施すことによってコントラストや色調などを自在にコントロールできるのも大きなメリットだ。
とはいえ、一部のプロ向けのデジカメをのぞくと、ほとんどのものがいわゆるコンパクトカメラ的なものである。したがって、たとえズームレンズがついていても、月を画面いっぱいに大きく写すことは難しい。
そこで試してみたいのが、天体望遠鏡と組み合わせての撮影だ。 天体写真の分野ではコリメート法と呼ばれる手法だが、望遠鏡に接眼レンズを取り付け、人間の目で見るかわりにカメラレンズにのぞき込ませるというものだ。 すでにいくつかの望遠鏡メーカーなどから、デジカメをコリメート法で使うためのアダプターも販売されているので、それらを利用してみるのがもっとも簡単な接続法だ。
使用するデジカメは、できればマニュアルフォーカスが可能で、さらにマニュアル露出か、露出補正機能の付いているものが望ましいのだが、露出に関しては多少の過不足があってもパソコンで画像処理することである程度は補正できる。
レンズが広角だと写野の四角がケラれることがあるので、ズームレンズがついている場合にはやや望遠にするとよい。 月の全景をおさめるには、アイピースの見かけ視界にもよるが、望遠鏡の倍率を50倍くらいにして、デジカメ側のズームで月が写野いっぱいになるように調整するとよいだろう。 また、デジカメにはレリーズを取り付けられないものが多く、望遠鏡がしっかりした架台に載っていたとしても、シャッターを切る時には手ブレを起こさないように気をつけたい。このとき、タイマー露出を使うと手ブレ防止には効果的だ。
歴史も浅く、まだ銀塩写真ほど技術的にこなれていないデジカメだが、最新のアイテムを使って皆既月食を狙ってみるのも楽しいのではないだろうか。ニコンクールピクス990とビクセン製のデジカメアダプター(クールピクス専用)。ビクセン製のLVアイピース(左)のラバー部を取り外して使用する。
デジカメをアダプターを用いて望遠鏡に取り付けたところ。各機種専用のアダプターを使うと望遠鏡とデジカメの中心合わせがラクなので、簡単に撮影することができる。
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