流星を写真に撮りたいという場合、用意するものは、カメラとレンズ、レリーズ、フィルム、それに三脚だ。具体的な撮影方法は、カメラを三脚に固定して、シャッターをB(バルブ)にセットし、長時間露光をするというものである。シャッターを開いている間に、運良く流星がカメラの写野を横切れば、流星が写るというわけだ。
流星撮影の準備
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流星写真の作例 |
絞りは、F2からF2.8 あたり。ピントは無限遠(∞)。カメラを向ける方向は、とりあえず、放射点のあるしし座方向(東)、もしくは、しし座よりやや上方がよいだろう。月明かりのない夜の場合は、使用するフィルムの感度や撮影地の光害の程度、天候によっても変わってくるが、ISO1600のフィルムでF2.8の場合、都市部で30秒、郊外で1〜2分、6等星まで見える空で5〜10分あたりの露出時間が適当だろう。
ところが、2002年の場合は、ほとんど満月という明るい月が一晩中夜空を照らしている。こうした状況で長時間の露光を行なうと、月明かりで夜空がカブってしまうのだ。月のない夜と同じ露出時間では、ポジフィルムなら真っ白、ネガフィルムなら真っ黒な写真となってしまう可能性が大きい。そこで、フィルムを大量消費することになるが、高感度のフィルムを使わずに露出時間をあまり長くしない撮影方法がおすすめだ。ISO400程度の感度で、絞りF2〜2.8で、2分程度を目安にすればよいだろう。
反対に、2002年のしし座流星群の場合は、月明かりを利用してしまうという手法もある。月に照らされた地上景色といっしょに星景写真風な流星写真を狙おうというものだ。月夜に星空を撮影すると、青空に星が写っているような不思議な写真ができあがるが、これに風景と流星が写っていたら、きっとおもしろい写真となるだろう。露出時間の見極めがきわめてむずかしいが、今年のしし座流星群ならではといえる撮影方法なので、ぜひとも挑戦してみよう。
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月齢17の月夜の星景
ニコンF4S ニッコール20mmF2.8(絞り開放) 露出8分
コダックエクタクローム320T(タングステン)
流星は写っていないが、月夜に長時間露光をすると青空に星が写る(タングステンタイプのフィルムなので、より青く表現されている)。
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月明かりの中の流星
1997年11月18日 117秒露光 追尾撮影
ニコンF4S Aiニッコール35mmF2(絞り開放) フジカラースーパーGエース800
撮影地:静岡県日本平
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