『ペルセウス座流星群』

毎年8月の中旬(ちょうどお盆のころ)になると、「ペルセウス座流星群」の流星がたくさん見られます。この流星群は、1月の「りゅう座流星群」、12月の「ふたご座流星群」とあわせて『3大流星群』のひとつです。昨年大出現したしし座流星群にはおよびませんが、山や高原など空の暗い場所で眺めれば、多いときには1時間で40〜60個以上の流星を見ることができます。

ペルセウス座流星群関連情報は、星ナビ8月号星ナビ9月号に掲載されています。

  ●流星群って何ですか?という人に
  ●今年のペルセウス座流星群はどう見えるの
  ●流星をたくさん見るコツ
  ●流星の写真を撮ろう
  ●《ステラプレイヤーによる流星シミュレーション》
  ●各地のペルセウス座流星群関連イベント情報(公開終了) (星ナビ.com - パオナビ

  [関連]携帯電話で流星を観測しよう

8月13日午前3時20分ころ

●流星群って何ですか?という人に

 流星は、太陽系空間にただよっている0.1ミリから数センチメートルのチリ(流星ダスト)が、秒速数10キロメートルという猛スピードで地球の大気に突っ込んできたときに発光する現象です。発光する高さは上空100キロメートル前後ですが、これを地上から見ていると、夜空を一瞬で駆け抜けていく星のように見え、“流れ星”とも呼ばれます。

放射点のしくみ  ほぼ毎年決まった時期に夜空の一点からたくさんの流星が放射状に流れることが知られており、これを流星群といいます。流星が流れてくるように見える中心点を「放射点(あるいは輻射点)」といいます。流星群の多くは、放射点のある星座の名前をとって「●●座流星群」と呼ばれます。ペルセウス座流星群の放射点は「ペルセウス座」にあります。

 流星群は、なぜ毎年同じ時期に見えるのでしょう。流星群のもととなる流星ダストは、彗星または小惑星と深い関係にあります。彗星が太陽に近付いたときに、彗星の核から放出された流星ダストは、彗星と似た軌道で太陽を回るようになります。こうしてできた流星ダストの帯に地球が接近すると、流星ダストが地球の大気に突入してきて、流星となって見えるのです。地球は一年で太陽の周りを一周するので、流星ダストの帯と毎年ほぼ同じ時期に接近することになり、流星群のピークは毎年ほぼ同じ日付になるのです。

 ちなみに、ペルセウス座流星群の流星のもととなる流星ダストを放出した彗星(母彗星といいます)は、スイフト−タットル彗星です。この彗星が太陽に近付いた1992年前後には、ペルセウス座流星群は例年より活発でした。

●今年のペルセウス座流星群はどう見えるの

 2002年のペルセウス座流星群の活動がピークとなるのは、8月12日夜から13日午前と予測されます。

 今年のペルセウス座流星群は明け方のほうがたくさん見えそうです。流星ダストがたくさんありそうな場所を地球が通過するのは、8月13日の朝7時です。放射点が空高く昇ってくる12日深夜から13日朝までの時間帯は流星の数も多くなり楽しめるでしょう。ただし午前3時半ころには薄明が始まって空が明るくなってきてしまうので、夜半過ぎから午前3時半頃が、もっともよい条件で楽しめるでしょう。多い時には1時間あたり数十個の流星が見えるでしょう。

 ペルセウス座流星群は、8月7日頃から15日頃まで活動していますので、ピークの日でなくても、前後数日間はお天気の良い晩を逃さず眺めてみましょう。夕方の早い時間に月が西の空に沈みますので、今年は月明かりに邪魔されることもなく絶好の条件で楽しめます。

●流星をたくさんみるコツ

たくさんの流星を見るには、それなりの観測ポイントを探し、暗いところに目を慣らすなどのちょっとした準備や工夫が必要です。

その1:空の開けている場所を探そう

とにかく、空の広い範囲が見渡せる場所を探しましょう。どんなに空がきれいで、星がたくさん見える場所でも、見渡せる空の範囲がせまかったらなんにもなりません。

狭く、明るい場所では無理

その2:周りに明るい光がない場所を探そう

ペルセウス座流星群の流星は東京など市街地でも見ることができます。ただし、とくに明るい何割かの流星だけに限られてしまいますから、1時間に数個見られればといった程度です。ビルの屋上や広い公園など、直接明るい光が目に入らない場所を探しましょう。明るい光の下では暗い流星は見えません。

その3:部屋から出たら最低でも30分くらいは空を見上げよう

明るい部屋から出てしばらくは目が暗闇に慣れていないので、暗い星まで見えません。それに、たくさん流れるとはいえ、明るい流星はそんなに多いわけではありません。懐中電灯などはなるべく点けずに、できれば30分くらいは空を見上げて暗闇に目を慣らしましょう。

その4:楽な姿勢で観測しよう

夜空を見上げるのに、立ったままでは首が疲れてしまいます。できれば、グランドシートをひいたり、ビーチチェアを使うなどして寝転がって見上げるのが一番です。とにかく無理な姿勢では疲れるだけです。

寝袋でゴロ寝ベンチでゴロ寝

その5:夜空全体を見渡そう

流星はどこに流れるか分かりませんし、いつ流れるのかもわかりません。ですから星空全体を気長にゆったりと眺めるようにしましょう。

夜空全体を見渡そう

●流星の写真を撮ろう

 明るい流星は、簡単に写真に撮ることができます。撮り方は実に簡単で、星野写真を撮る要領で固定撮影あるいは追尾撮影をすればいいのです。ここではもっとも簡単な固定撮影について紹介しましょう。

★用意するもの

 ■フィルム(ISO800など高感度のもの)
 ■カメラ (一眼レフがよいがバルブシャッターの切れるもの
       ならコンパクトカメラでもデジカメでもOK)
 ■三脚  (なるべくしっかりしたものを)
 ■レリーズ(シャッターを切る道具)

★撮影のしかた

レリーズをセット三脚にカメラを取り付け、レリーズを付けます。
フィルムを入れるのを忘れないこと。
レンズは標準レンズでOKですが、なるべく明るい(F2.8以上)ものがよく、開放にセットしておけばいいでしょう。
撮影したい方向へ向けしっかりと固定しましょう。

シャッターはバルブシャッター速度を、バルブに設定します。

ピントは無限大ピントを無限大(∞)に合わせます。
後はシャッターを切るだけでOKです。
露出時間は空の明るさや絞り、フィルムの感度によってまちまちですが、2分〜10分間がめやすです。


ムービー

ムービー『流星の観察方法について』
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