2月6日 北日本でさそり座β星食 2月になると夜明け前の南東の空に早くも夏の星座であるさそり座が姿を見せるようになってくる。真っ赤なアンタレスが雪原の中で輝くのを目にするのも印象的なものだが、そのアンタレスの近くにあるさそり座β(ベータ)星が月にかくされるところが北日本方面で見られる。さそり座のβ星は2.9等の明るめの星ではあるし、月の高度もまずまずなので、下弦すぎの細くなりはじめた月に出入り、または接近するようすは、双眼鏡でさえ楽しめることだろう。東京での日の出はこの日午前6時37分なので、さそり座β星が月に最接近するころはまだ空は真っ暗で観測条件はよいといえる。冬の夜明け前、わざわざ早起きして食されるわけでもない星をながめるというのもおっくうなものだが、それだけに誰も見ていないものを目にしている実感は心愉快なものがあろう。 |
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