5月26日　宵空で半影月食を見よう

　昨年12月30日宵のころにも半影月食が見られているが、5月26日の宵にも全国で半影月食が見られる。半影月食は満月が地球の影のうち淡い半影部分に入りこむだけで通りすぎるもので本影部分に入りこむふつうの月食のようにはハッキリ欠けて見えない月食で、したがって月食という呼び名のわりには迫力に欠けた見え方となってしまう。それでも半影部分全体に満月が入りこんでくれれば、本影側がかなり薄暗くなっているのがわかり興味深いが、今回の半影月食は、半影部分に入りこむ割合が満月の71％とあまり大きくはない。つまり半影月食でもその程度の部分月食というわけである。このため、うっかりしていると月食になっていることに気づかずに見過ごしてしまうこともありそうである。しかし、半影部分に71％は入りこむので、注意深く月面のようすに注目すると月面全体に、ややつやが失われているように見えることや本影よりの方が心もち薄暗くなっていることがわかり、月食らしさはとりあえずうかがえることだろう。5月ころの満月は高度があまり高くならないので最も深く半影に入りこむ午後9時ごろには、東京で20度ちょっとしか高度がなく透明度によっては満月が赤みがかって見えるかもしれないがそれはあくまでも大気のせいで月食のためではない。こんなたよりない半影月食だが写真に写してみると本影側が薄暗くなっていることが意外にわかりやすい。その点では写真撮影がおすすめといえる。