【訃報】アポロ11号クルー、マイケル・コリンズさん
【2021年5月7日 NASA】
4月28日、元宇宙飛行士のマイケル・コリンズさんが亡くなった。享年90。米空軍パイロットだったコリンズさんは1963年にNASAの宇宙飛行士として選抜され、1966年のジェミニ10号と1969年のアポロ11号に搭乗した。
ジェミニ10号は、地球周回軌道上で各種技術検証を行うジェミニ計画の宇宙船。コリンズさんは船長のジョン・ヤングさんと共に同機で3日間の飛行を達成した。また、2度の船外活動も行い、ランデブーした無人船アジェナから微小隕石収集装置を回収するなどの成果を挙げた。コリンズさんは米国で3人目の船外活動を行った宇宙飛行士である。
続いて月への有人飛行を目指したアポロ計画にも宇宙飛行士として選ばれ、史上初の有人月面着陸を達成したアポロ11号に搭乗した。ただし、コリンズさん自身は月へは降り立たずに、月周回軌道に残った司令船「コロンビア」のパイロットとして、着陸船「イーグル」で月に降りたニール・アームストロングさんとバズ・オルドリンさんの月面での活動を支えた。
1970年に空軍を退役してNASAも退職し、米国務省の広報担当国務次官補を務めた。その後1971年には、米・スミソニアン博物館が建設を計画した米・国立航空宇宙博物館の初代館長に就任した。1980年にLTVエアロスペース&ディフェンスの副社長に就き、1985年に独立した後は、宇宙に関する執筆や講演活動を続け、数冊の著書も出版した。
「本日、この国は真のパイオニアにして生涯探険の提唱を続けたマイケル・コリンズを失いました。同僚たちが史上初めて月面を歩いている間、アポロ11号の司令船パイロットとして-彼は『史上最も孤独な男』とも呼ばれました-私たちの国が決定的な節目を迎えるのを助けました。NASAは、名パイロットで宇宙飛行士、そして人間の可能性の限界を押し広げようする全ての人々の友人たる彼の逝去に深く哀悼の意を表します。彼の活躍が舞台裏だったとしても、舞台上だったとしても、アメリカが宇宙へと歩み始めたときのリーダーの一人として名を残し続けることでしょう。そして彼の精神は、さらなる地平を目指す私たちとともにあります」(NASA長官 Steve Jurczykさん)。
〈参照〉
- NASA:
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