BDとプラネタリウムでゆめみちゃんに会える
【2017年3月13日 星ナビ編集部】
「プラネタリウムはいかがでしょう……」封印都市に取り残されたプラネタリウム解説ロボット・ほしのゆめみ。そして偶然そこへ迷い込んだ男・屑屋。荒廃し星の見えない世界で生きる屑屋は、ドームに映し出された満天の星とゆめみの解説に言葉を失う-。昨年7月からウェブで配信された「planetarian~ちいさなほしのゆめ~」(全5話)と、9月に劇場公開された「planetarian~星の人~」のBlu-rayが2月24日に発売となった。
これまでも紹介してきたように、「planetarian」はプラネタリウムが重要な役割を与えられているのが見どころの一つだ。たとえば「ちいさなほしのゆめ」で登場する投影機、通称イエナさんは、明石市立天文科学館で1960年から稼働している「カールツァイス UPP23/3」がモデルであり、作中でもそのレトロで特徴的なシルエットが丁寧に描かれる。アストロアーツの協力のもと作られた投影シーンは、ぜひとも一時停止したり巻き戻したりして、リアルな星空表現をじっくり見てほしい。また、ゆめみの解説に「プラネタリアンの魂」を感じた人には、超豪華版特典の「新録ほしのゆめみ『夏の星座』解説CD」(シナリオ原案は現役プラネタリアン・橋本京子さん)がおすすめだ。
ところで、ほしのゆめみの星空解説は、実はアストロアーツ発行のムック『アストロガイド 星空年鑑 2017』でも聴くことができる。例年『星空年鑑』付録のDVD-VIDEO/ROMには、その年の注目天文現象や星空の楽しみ方などの解説番組が収録されていることはご存知だろうか。2015年はブラック星博士、2016年は山岸愛梨さん、ときて2017年はほしのゆめみさんが案内役を務めているというわけだ。番組のシナリオを書いたアストロアーツスタッフは、ゆめみのキャラクターを活かすために原作や年表を熟読して、投影前の挨拶を取り入れたりアレンジしたりと工夫を重ねた。ちなみに、ほしのゆめみが解説する2つの番組「太陽系を巡る旅」「月の観察」は、ウェブ配信版のエンディングで一瞬だけ登場する「過去の投影番組のイメージカット」が元になっている。
そしてこの3月からは、いよいよファン待望のプラネタリウム特別版の投影も始まる。ベースとなっているのはウェブ配信版「~ちいさなほしのゆめ~」だが、ゆめみの星空解説シーンには新たに録音した「季節の星空」が組み込まれるなど、全体を再構成した内容になるそうだ。フルドーム映像化を手がけたD&Dピクチャーズの吉田弥生さんは「(劇場版公開前の)明石市立天文科学館で開催されたファン向けのイベントが盛況だったということもあり、プラネタリウム番組としては挑戦的な仕事でしたが制作に踏み切りました。そのままドーム映像化するとキャラクターが巨大になりすぎてしまうなどの問題があり、再編集の際のカット選びやシーンの長さの調整には苦労しましたが、原作ファンにも、初めて見るお客さんにも楽しんでいただける内容になっていると思います」と話す。
熱心なファンの輪が広がり、天文業界を巻き込んで大きく展開してきた「planetarian」の波は、星空に託された“ゆめみの願い”のように、遠く未来までこれからも広がっていくだろう。
「アストロガイド 星空年鑑 2017」
ほしのゆめみさんと、すずきけいこさんがやさしい声で星空をご案内♪
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