天文学者夫婦のお子さんの心臓移植に向けた支援を
【2016年2月5日 こうちゃんを救う会】
文:臼井文彦さん(東京大学)
天文学の研究にとって大切なことのひとつに人と人とのつながりがあります。現代科学は非常に発展して複雑化しているため、他人との関わりをまったく持たずに研究を進めることはできません。そこで、お互いの年齢差を意識せず、知識や経験、論理的な考え方など、持てる力を持ち寄って共同研究をすることで、私たちは宇宙の謎に迫ろうとしています。
私の共同研究者で、親しくしている天文学者の夫婦がいます。片坐(かたざ)宏一さんと美子さんです。宏一さんは観測装置に造詣が深く、すばる望遠鏡や赤外線天文衛星「あかり」などで多くの貢献をされていて、JAXA宇宙科学研究所で次世代の赤外線宇宙望遠鏡の開発を行っています。宏一さんは一見すると口数が少なそうに見えて、実は話し出すと独特の視点での語り口がとてもおもしろい方で、私は同じ職場だった頃から天文学に限らずたくさんのことを議論してきました。美子さんは現在休業中ですが、赤外線で明るく輝く星や惑星系が生まれる現場の観測を続けています。学生の頃に所属していた天文サークルの私のひとつ先輩なのですが、(ご本人に言ったことはないですが)私を天文学の世界に引き込んだ一人です。
2014年11月に二人から連絡があって、4歳になる長男の康祐(こうすけ)くんが重い心臓病で状態が思わしくないということを聞きました。助かるにはできるだけ早く移植を受けなければいけなくて、天文学者夫婦ではとてもまかないきれない費用がかかるため、友人有志が集まって募金活動を行っています。大金のかかる心臓移植の募金活動については、いろいろな考え方がありますが、星を見る仲間として、身近にもそういうことがあるということを知っていただきたくて、筆をとりました。もし関心を持っていただけましたら、以下のウェブサイトをご覧ください。よろしくお願いします。
〈参照〉
- こうちゃんを救う会: http://koh-chan.jp/
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