「星ナビ」の人気連載「ギリシア神話劇場」がムックになった!
天文雑誌「星ナビ」の創刊号から2004年12月号まで、49回にわたり連載された「ギリシア神話劇場」に、書き下ろしの「星座神話の始まり」を加えて全18話・計206ページのまんがストーリーを一気読みできます。巻頭カラー星図や星座解説、巻末資料編も加わって、ずっしり厚く中身も充実の、しっかり読み応えのある256ページです。
全体構成
- 巻頭カラー星図 (春夏秋冬、北天、南天の星図と星座写真)
- まんがストーリー (全18話)
- 星座解説 (全天を13のパートに分けて解説)
- 欄外コラム 「金井三男のこだわり星座神話」「正調ギリシア神話では」
- 巻末資料編 (登場人物相関図や神話時代の地図)
巻頭カラー星図
美しいカラー星図で、星座の形や互いの位置関係がわかります。さらに、星座の姿が生き生きと描かれた古星図や、星座の写真、主な星雲星団の写真も掲載しています。
fig :「冬の星座」のページ
巻頭カラー星図 もくじ
- 全天星座図
- 春の星座
- 夏の星座
- 秋の星座
- 冬の星座
- 北天の星座
- 南天の星座
まんがストーリー
まんがストーリーは、月刊天文雑誌「星ナビ」の連載「ギリシア神話劇場」に、一部加筆・修正を加えたものです。また、ムック化にあたり、プロローグ「星座神話の始まり」を書き下ろし。ギリシア神話の黎明期からミウミウ登場の経緯までが語られています。
fig :第1話「オリオンの恋」の冒頭ページ
ギリシア神話には膨大な話があり、星座に関係して伝えられているのは、そのほんの一部でしかありません。舞台はギリシャが中心ですが、実は地中海沿岸のヨーロッパから北アフリカ、中近東、西アジア、黒海沿岸にまで及ぶ広大な地域にまたがっています。従来の星のギリシア神話を解説した本の場合、星座ごとに単独、あるいはいくつかの神話を併記した構成になっていることが多く、登場人物や神話全体の相関関係が分かり難いことがありました。
「まんがで読む星のギリシア神話」では、案内役としてニンフ*のミウミウを登場させ、ストーリーをひとつにまとめたため、本来なら幾世代にもわたる神話を同時代に設定し、星座神話の全体像をつかめるようにしました。内容は、神話に忠実に構成し、一部オリジナルの解釈を加えた部分については、欄外に「正調ギリシア神話では」というコラムを設けて補足してあります。
fig :まんがストーリーの案内役「ニンフのミウミウ」
*ニンフ:「妖精」とか「仙女」と呼ばれるが、不死ではないなどで、この世あの世といった東洋的概念では理解が難しい。山や河、泉、洞窟、花や樹木などあちこちに棲み、人間界と直接交流を持つ半神的存在である。多くは若くて美しい女性として描かれ、歌や踊りが得意と言われる。ギリシア神話だけでなく、北欧やケルト(英国などに住む)、あるいはラテン民族など、広くヨーロッパに住む人々に共有されている。(「金井三男のこだわり星座神話」コラムより)まんがストーリー もくじ
- プロローグ「星座神話の始まり」
- 第1話「オリオンの恋」
- 第2話「猟犬レラプスとメランポス」
- 第3話「おおぐま、こぐま親子の悲劇」
- 第4話「おとめの祈り」
- 第5話「ゼウスの白鳥」
- 第6話「オルフェウスの琴」
- 第7話「オリンポスの宴会」(立ち読みコーナーへ)
- 第8話「ペルセウスの大冒険」
- 第9話「天馬ペガススとベレロフォン」
- 第10話「うそつきカラスとコロニスの悲劇」
- 第11話「賢者ケイローンと名医アスクレピオス」
- 第12話「ヘラクレスとケンタウロス族の争い」
- 第13話「ヘラクレスの十二の荒行」
- 第14話「アルゴ船の大冒険」
- 第15話「カストルとポルックス」
- 第16話「おうしの恋」
- 第17話「戦いの時代」
著者:藤井龍二(ふじい りゅうじ)
日本漫画家協会会員
2434012JD生まれ
岐阜県出身
小学生のころからマンガと天文に興味を持つ。天文趣味は特に日食フリークで、83年のインドネシア皆既日食以来、ほとんど遠征し、現在21回目(観測成功率7割)。他にプロレスと映画に忙しい。最近は乗馬にも凝っていて、モンゴルやオーストラリアで馬と星三昧の生活を夢見ているという。現在、月刊天文雑誌「星ナビ」にて、4コマまんが「やみくも天文同好会」を連載中。他にも「THE21(PHP研究所)」「日経TRENDY(日経ホーム出版社)」に連載を持つ。
ホームページ:「やみくも天文同好会」→ http://www5b.biglobe.ne.jp/~yamikumo/
星座解説
「星座解説」では、それぞれの星座にまつわる神話や、主な天体などを紹介しています。近くにある星座・神話ストーリーで関連のある星座ことにまとめられていて、それぞれの位置関係や「星のギリシア神話」の中で、ストーリー展開上、星座同士がどのように関係しているかが分かり易い構成になっています。星座に含まれる主な天体や、古星図も紹介しています。
fig :星座解説1
オリオン、おおいぬ、こいぬ、うさぎ座
星座解説 もくじ
- オリオン、おおいぬ、こいぬ、うさぎ
- おおぐま、こぐま、りゅう
- おとめ、かみのけ、てんびん
- わし、こと、はくちょう、や、いるか
- やぎ、うお、みなみのうお、みずがめ(立ち読みコーナーへ)
- カシオペヤ、ケフェウス、アンドロメダ、ペルセウス
- ペガスス、こうま、くじら、おひつじ
- いて、へび、へびつかい、さそり、みなみのかんむり
- ケンタウルス、さいだん、おおかみ
- ヘルクレス、うしかい、りょうけん、かんむり
- かに、しし、うみへび、からす、コップ
- アルゴ(りゅうこつ、とも、ほ、らしんばん)、エリダヌス、はと
- ふたご、おうし、ぎょしゃ
欄外コラム「金井三男のこだわり星座神話」
神話成立時の時代背景や星座にまつわるエピソードを「こだわり星座神話」として金井三男氏が解説しています。まんがストーリーとともに、このコラム読み進めると、星座や神話についてより深い理解が得られます。
「金井三男のこだわりギリシア神話」全リストでは、148本のコラムのタイトルと、その中からピックアップした5本のコラムの全文を読むことができます。
解説:金井三男(かない みつお)
元、天文博物館五島プラネタリウム解説員で、現在、(株)東急コミュニティーにて後輩の指導・育成に携わるかたわら、天文宇宙のありとあらゆる事象について独自の視点から「こだわり」をもって研究している。天文雑誌「星ナビ」にて、「金井三男のこだわり天文夜話」を連載中。
巻末資料編
巻末資料編では、錯綜する人間(神々)関係や、舞台となった国や地名をまとめました。
資料編1 登場人物 & 神々一覧
◆資料編1では、主な登場人物の紹介だけでなく、ガイアから連なるティタン神〜オリンポス12神を中心にした神々の家系や、登場人物の相関をまとめています。複雑に錯綜した登場人物の親子関係、夫婦・恋人・愛人関係、敵対関係が一目で分かります。
fig :登場人物相関図1 「神々の系譜」
また、正妻ヘラの厳しい監視の目をかいくぐり、あらゆる手段を駆使して美女・美男に接近する大神ゼウスの「愛人たちと、その子どもたち」リストや、人喰ライオンやヒドラ退治などの「ヘラクレスの十二の荒行」リスト、テュフォンや冥界の番犬ケルベロスなど、神話に登場する怪物たちの系譜もまとめてあります。
資料編2 神話時代の地図
◆資料編2「神話時代の地図」では、ギリシャや、エーゲ海の島々、地中海沿岸のヨーロッパから北アフリカ、中近東、西アジア、黒海沿岸にまで及ぶ広大な地域が舞台となった「星のギリシア神話」の世界を一覧できます。「アルゴ船の大冒険」の航路や、「ヘラクレスの十二の荒行」の場所が分かるだけでなく、現在の地図で物語の舞台がどこに当たるのかが一目で理解できます。
fig :資料編2 神話時代の地図