6月26日の夕方、太陽が西(やや北より)に沈むころ、その正反対の東(やや南より)の方角からまるい月がのぼってきます。まだ空が明るいうちから22時頃にかけて、そのまるい月が部分的にしだいに暗くなっていき、またもとの姿に戻っていきます。最も食が深くなるのは20時38分ころで、月の半分ほどが暗くなり、月明かりが弱まります。
この月食の前半は、まだ夕空の明るさが残っている時間帯です。この際ですから、しだいに夜の闇が空を覆っていくようすにも注目して、光と影の天体ショーを楽しみましょう。
傘の手放せないこの季節。昼間はむし暑いこともありますが、雨があがって過ごしやすい夜もあるものです。雲が切れて月や星が見えていると、何だかちょっと嬉しいような、いまのうちに見ておかないと何だかもったいないような、6月の夜空はそんな特別な感じもします。そして6月26日には月食が起こります。いつもとは様子の違う満月が夜空に浮かんでいますから、もし晴れればいっそう特別なものに感じられることでしょう。
6月26日の夕方、太陽が西(やや北より)に沈むころ、その正反対の東(やや南より)の方角からまるい月がのぼってきます。まだ空が明るいうちから22時頃にかけて、そのまるい月が部分的にしだいに暗くなっていき、またもとの姿に戻っていきます。最も食が深くなるのは20時38分ころで、月の半分ほどが暗くなり、月明かりが弱まります。
この月食の前半は、まだ夕空の明るさが残っている時間帯です。この際ですから、しだいに夜の闇が空を覆っていくようすにも注目して、光と影の天体ショーを楽しみましょう。
とうちゃーん、こんど月食があるんだって! 去年の日食グラス、使えるかなあ?
いらんだろ、日食じゃなくて月食なんだから。
そうか月食って月を見るのか! 月が太陽にかくれるんだね!
おいおい、それはちがうだろ。月が…アレにかくれるんだ、えーっと、アレ、なんだっけ、あれ?
とうちゃん、アレって一体なんだよ???
太陽の光は地球を照らしています。そして地球から太陽と正反対の方向には、ふだんは気づきませんが地球の影が常に長く伸びています。その影のところを月が横切ると、月面がスクリーンのような役目を果たし、地球の影の存在がわかります。月食とはつまり、月が地球の日陰に入り込む現象です。月が部分的に地球の日陰に入り込むと部分月食、全体が入り込むと皆既月食となります。
月食は、太陽−地球−月と一直線に並んだとき、つまり満月のときにだけ起こります。別の言い方をすれば、月食のときは必ず、地球から見て太陽と月がちょうど反対方向にあります。
2010年は、1年のうちに3回も月食がある珍しい年です。1月と12月にも月食があり、6月の月食はじつは今年2回目の月食です。月食が1年のうちに起こる回数は最大で3回、しかも今年はその3回とも日本から見ることができます。
地球全体で日食と月食の起こる頻度を比べてみると、その比はほぼ3:2で、じつは日食よりも月食のほうが珍しい現象であるといえます。しかしながら、月食は地球上の広い範囲で見ることができる現象なので、地球上のある地点(たとえば自分のいるところ)から見られるかどうかということで言えば、目撃するチャンスに比較的恵まれ、月食のほうがよく起こっているかのように思えてしまうのです。
ちなみに日食は、今年は1月と7月の2回ありますが、1月の日食は西日本限定でした。7月の日食は日本からは見ることができません。