概要
ASCOMは、望遠鏡の架台、フォーカサー及び撮像機器のコントロールを行うためのオープンな標準仕様で、さまざまな天文観測機器のドライバが提供されています。
ステラナビゲータ10はASCOMの望遠鏡制御に対応しており、製品に望遠鏡制御モジュールが含まれていない赤道儀・経緯台についても、ASCOMのドライバを経由して制御することができます。
ステラナビゲータ10ではASCOMのフォーカサー / CCDカメラ / ドームの制御機能には対応しておりません。
シミュレータによる動作確認
ASCOM Platformをインストールしたら、シミュレータ(仮想的な望遠鏡)を使って動作を確認してみましょう。
- ステラナビゲータを起動します。
- 設定バーで[望遠鏡]スタイルに切り替えます。
- 星図内ユーザインタフェース(星図内UI)の[設定]ボタンをクリックして、[望遠鏡コントロール]ダイアログを開きます。
- [メーカー]で[ASCOM]、[望遠鏡]で[ASCOM]を選び、[接続]ボタンをクリックします。
- [ASCOM Telescope Chooser]が開くので、中央のセレクトボックスで[Simulator]を選択します。
- [Properties]ボタンをクリックし、[ASCOM Telescope Simulator Setup]を開きます。
- [Auto Unpark/Track on Start]チェックボックスをオンにします。
- [OK]をクリックして、[ASCOM Telescope Simulator Setup]を閉じます。
- [ASCOM Telescope Chooser]で[OK]ボタンをクリックすると、シミュレータが動作します。
- [望遠鏡コントロール]ダイアログで[閉じる]ボタンをクリックして、ダイアログを閉じます。
- 星図上の適当な天体をクリックし、星図内UIの[同期]ボタンをクリックします。
- 別の天体をクリックし、星図内UIの[導入]ボタンをクリックして、望遠鏡マークが移動することなどを確認します。
望遠鏡別ドライバのダウンロード
ASCOMのドライバは下記のサイトにまとめられています。ご使用の機器に合わせたドライバをインストールしてください。
- Telescope/Mount Drivers
紹介されているドライバ
- ACL Telescope Controllers
- Astro-Physics GTO
- Celestron Unified
- EQMOD Project
- Gemini Telescope .NET
- Generic LX-200
- LittleFoot Controller Project
- Meade LX200 Classic and Autostar #494, #495 and #497
- Meade LX200GPS and LX200R
- Meade MaxMount
- PC-TCS
- ServoCAT
- Takahashi Temma
- TheSky Controlled Telescope
- Vixen SkySensor 2000
- 星見庵日記番外編
- 株式会社ビクセン
紹介されているドライバ
- STAR BOOK TENドライバ(その他のSTAR BOOKシリーズについてもビクセン様にお問い合わせください)
POTHの使い方
複数のソフトウェアで同時にASCOMを使う際には、ASCOMの追加ソフトである「POTH」を経由してご利用いただく必要があります。
※ただし、最新のASCOM TemmaドライバではPOTHなしでも複数クライアントからアクセス可能になっています。
以下の手順でPOTH Dome-Scope Hubの設定をしていただき、ステラナビゲータ10の接続をしてください。
1. POTH Dome-Scope Hubの接続
- Windowsのスタートボタンから、[すべてのプログラム]‐[ASCOM Platform]‐[Scope−Dome Hubs]を選択していただき、「POTH Dome-Scope Hub」を起動します。
- [POTH Dome-Scope Hub]の画面右下の[Setup]をクリックします。
- 「POTH Setup」ダイアログが表示されますので、[Scope Connection]の枠内にある、「Choose Scope」をクリックします。
- 「ASCOM Telescope Chooser」が表示されますので、「お使いの望遠鏡にあったドライバ名」を選択し、「Properties...」をクリックしてCOMポートなどを設定し[OK]をクリックします。
- [POTH Setup]ダイアログに戻りますので、画面右上の[Connect]をクリックします。
- これでお使いの望遠鏡がPOTHと接続されますので、[OK]をクリックします。
以上で、「POTH Dome-Scope Hub」のパネルにお使いの望遠鏡の現在位置が表示された状態になります。
この「POTH Dome-Scope Hub」が、ステラナビゲータやほかのソフトに対して望遠鏡の「代理」としてふるまいます。
2. ステラナビゲータ10の接続
- ステラナビゲータ10を起動します。
- [観測]メニューの[望遠鏡コントロール]をクリックします。
- 「望遠鏡コントロール」ダイアログが表示されますので、
を選択していただき、[接続]ボタンをクリックします。
- 「ASCOM Telescope Chooser」が表示されますので、「POTH Hub」を選択し、[OK]をクリックします。
- 「望遠鏡コントロール」ダイアログに「ASCOM ASCOM が接続しています。」と表示されますので、[閉じる]ボタンをクリックしてください。
- 星図画面に、望遠鏡マークが表示されていれば接続は完了となります。
3. ほかのソフトの接続
上記手順と同様にPOTHでほかのソフトの接続を行ってください。なお、「ASCOM Telescope Chooser」で望遠鏡の設定をする場合には必ず「POTH Hub」を選択してください。
4. 切断
望遠鏡の切断は、接続とは逆の順序で、
- ほかのソフトとPOTHを切断する。
- ステラナビゲータ上で望遠鏡(POTH)を切断する。
- 望遠鏡とPOTHを切断する。
の順に必ず行ってください。