ステラナビゲータで再現「2003年11月25日 土星による恒星食」
土星の「環」が8.3等星をかくす!
2003年11月25日の宵、土星が8.3等の恒星をかくすという珍しい現象が見られます。
恒星は環から潜入して本体の後ろを通り、再び環から出現します。このようすをステラナビゲータ Ver.6を使ってシミュレートしてみましょう。
図は、視野を0.1度に設定して土星を眺めたところです(クリックで拡大表示します)。土星の衛星タイタンが本体の北西にあるのもわかります。しかし、主役は8.3等星と土星の「環」です。
(以下の解説で、ダイアログボックスをクリックすると実際と同じサイズで表示されます。)
暗い恒星を表示させるための準備
製品CD-ROMのDISC2をコンピュータのCD-ROMドライブにセットします。
[天体]メニューの[恒星…]から「恒星」ダイアログを開きます。
右上の「恒星データ」のところで、「使用するデータ」の「自動切換え」を選択します。その下の拡張データはどれでもかまいません。
[OK]ボタンを押すと「CD-ROMを使用しますか」と確認されますので、[OK]を押します。
ステラナビゲータのインストール時にカスタムインストールで拡張恒星データをインストールされた方は、上記の作業は必要ありません。
いずれの拡張データを用いた場合でも、恒星をクリックして表示される天体情報では恒星の等級が8.3等級とはなりません。これは、用いるデータ(カタログ)の違いによるものです。この解説では、天文雑誌「星ナビ」などの表記に合わせ「8.3等」と記述しています。
日時を変更する
[設定]メニューの[日時…]から「日時」ダイアログを開きます。または、「日時」ボタンを押してダイアログを開きます。
カレンダーやエディットボックスを使用して、日時を2003年11月25日19時30分に設定します。
設定が終了したら[閉じる]ボタンを押し、ダイアログを閉じておきます。
日時の変更には「ステラパッド」を使うと便利です。
土星を探す
[ツール]メニューの[名前で検索…]から「名前で検索」ダイアログを開きます。
「分類」の「太陽・月・惑星」をチェックし、右の「天体名」から「土星」を選びます。
「土星」を選択したら[OK]ボタンを押してください。
土星を中心とした星図が表示され、土星の周りのクロスカーソルが点滅します。
メインウィンドウの「検索」バーに「土星」と入力して[検索]ボタンを押すと、簡単に土星を見つけることができます。
土星の情報を表示し、土星を中央に固定する
星図に表示された土星にマウスカーソルを合わせてクリックします。
「天体情報」パレットがあらわれ、土星の高度や位置などの情報が表示されます。
次に、「中央固定」ボタンを押して、土星をウィンドウの中央に固定します。
この操作により、日時などを変更しても常に土星がウィンドウの中央に表示されるようになります。
表示を拡大して土星の環と恒星を見る
「範囲選択」リストボックスやステラパッドの「視野範囲ジョグ」スライダを使って、視野の範囲を0.1度まで拡大します。「視野範囲ジョグ」スライダは、右に動かすと拡大表示になります。
視野の範囲を変更するには、[表示]メニューの[表示範囲…]を実行して「表示範囲」ダイアログを操作する方法や、カーソルをズームモードにして星図をクリックする方法もあります。
土星の環の後ろに潜入する恒星をアニメーションで表示する
19時30分の段階では、まだ恒星は土星の傍に輝いています。土星の環の後ろに潜入するようすをアニメーションで表示させてみます。
アニメーションを実行するには、次のような方法があります。
時間間隔を設定してアニメーションを実行する
[アニメ]メニューの[設定…]から「アニメーションの設定」ダイアログを開きます。
「指定した時間間隔」にチェックし、間隔を入力します。間隔は、たとえば「1」分とすれば1分おきのアニメーションになります。
[アニメーション実行]ボタンを押すと、設定した時間間隔でアニメーション表示されます。
アニメーションを止めたい場合は、[アニメ]メニューの[停止]を実行してください。
実際の表示例
以上のような手順で、恒星が土星の環に隠されるようすを見ることができます。
実際に表示させた例は次のようになります(土星の衛星などの表示は消しています)。
望遠鏡をお持ちの方は、実際にご覧になってください。恒星が環の後ろを通るときにはチラチラと明滅するようすが見え、特に興味深い眺めとなるはずです。また、高感度CCDビデオカメラによる記録にも挑戦してみたいものです。
恒星の環への潜入は19時57分、出現は23時10分です。
ステラナビゲータ Ver.6について
ステラナビゲータ Ver.6に関する情報は、ステラナビゲータ Ver.6のウェブサイトでご紹介しております。