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夏の星空を楽しもう

月の名所をめぐってみよう

月について

 大きさはほぼ地球の4分の1で、平均距離38万kmの軌道を回っているので、見かけの大きさはちょうど太陽と同じくらいになる。月面には大気がなく、クレーターや山脈、谷のほかに、海と呼ばれるやや滑らかで黒っぽく見える部分がある。また、満月近くになると、ティコクレーターのように光条(レイ)が放射状に長く伸びるクレーターも観察できる。

 月は約1か月かかって地球の周りを公転しており、その間に満ち欠けをする。これは月が太陽の光を受けて輝いているためである。公転周期と自転周期が等しいため、月はいつも同じ面を地球側に見せているが、上下左右にわずかに揺れ動いているので、実際は半分より多い59%の範囲を見ることができる。

月齢

月齢

 新月から数えた日数のことを「月齢」という。月と太陽が同じ方向にあるときを新月(あるいは朔)と呼び、このときの月齢を0とする。

 月は太陽から東側に向かって離れていき、翌日には西空の低空に細い弧を描いて見える(実際には日没直後で見にくい)。これが月齢1(二日月)の月である。月は、さらに東へ移動しながら毎日少しずつ太くなっていく。そして新月から約1週間後、太陽から90度東に離れたところで半月(上弦の月)となる。このときの月齢は約7である。月はその後も太陽から離れ、太陽から180度、つまり太陽の正反対側に来たときに満月となる。このときの月齢は約15(十五夜)である。さらに東に回って270度のとき(西回りの角度を測れば90度)の半月(下弦の月)は月齢が約22、そして約29.5日たつと新月になり、ふたたび月齢0に戻る。

月齢4〜5

月齢4〜5

 三日月と思われている月は、実はこの頃の月で、日没時には南西の空高くに見えるようになってくる。

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pdfファイル[月齢4〜5]

上弦(月齢7)

上弦 正確には月と太陽の視黄経の差が90度になる瞬間をいう。西に傾いて沈む時に弓の弦にあたる欠け際を上にして沈むところに名前の由来がある。

 上弦の月は昼頃に昇って、夜半に沈むので見やすい月と言えるだろう。

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満月

満月

 「望(ぼう)」ともいう。地球をはさんで月と太陽が反対方向に位置し、地球側の月面に正面から太陽光が当たる状態をいう。正確には、月と太陽の視黄経の差が180度になる瞬間を「満月」という。

 満月の月は真上から太陽光線があたり、クレーターなどの影が少なくのっぺりとした印象になってしまうので、月の地形を楽しむという観点からすると実はあまり向いていないということになる。

 しかし、今まで目立たなかった、小さなクレーターでも周囲に光条が輝きだすものがあったりして、欠け際で見た印象とはまったく違った光景を楽しむことができる。

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双眼鏡や望遠鏡で夜空の天体を観察しよう「はじめてのスターウオッチング 天体観察入門」

はじめてのスターウオッチング 天体観察入門

 美しい星空は眺めているだけでも心が安らぎますが、双眼鏡、フィールドスコープ、天体望遠鏡などを使って観察すると、思いもよらぬほどの数の恒星、星雲星団が見え、夜空のなかに、まるで宝石のように数々の美しい天体が存在していることに気づきます。また、月、惑星、彗星、流星群などがもたらす天体イベントも興味深いものです。

 従来の天体観察入門書の多くが、天文現象の法則の理解や望遠鏡の原理に多くのページを割いていたのに対して、「はじめてのスターウオッチング 天体観察入門」ではそうした記述を必要最小限にとどめ、その代わりに毎月のおすすめ天体や種類別の観察ポイントの紹介と、入門者に最適な望遠鏡などの天体観察グッズの使い方の紹介という2点に重点を置いた構成としました。