H-IIAロケット43号機打ち上げ、光データ中継衛星を搭載

29日夕方、光データ中継衛星を搭載したH-IIAロケット43号機が打ち上げられた。

【2020年11月30日 三菱重工業株式会社

11月29日16時25分、鹿児島県の種子島宇宙センターから「データ中継衛星1号機・光データ中継衛星」を搭載したH-IIAロケット43号機が打ち上げられた。ロケットは計画どおり飛行し、衛星は正常に分離された。H-IIAロケットの打ち上げ成功率は97.7%(6号機以外の42機成功)となった。

H-IIAロケット43号機の打ち上げ
H-IIAロケット43号機の打ち上げ(提供:三菱重工業株式会社

同衛星は内閣府の情報収集衛星のデータ中継衛星としての役割と共に、JAXAが開発中の「光衛星間通信システム(LUCAS)」における光データ中継衛星として利用される。これは静止軌道にある光データ中継衛星と低軌道を周回する地球観測衛星との間を波長1.5µmのレーザー光で通信するシステムで、光データ中継衛星が中継して観測衛星が取得した画像などの観測データを地上局へ送ることにより、従来よりも効率の良いデータ送信を可能とするものだ。

光データ中継による通信視野範囲の拡大イメージ
光データ中継による通信視野範囲の拡大イメージ(提供:JAXA、以下同)

通信容量の増強やアンテナ径の大幅な縮小といった改良もされていて、地球観測衛星のデータ伝送の大容量化、即時性要求に対するソリューションとして大きな活躍が期待される。

光データ中継衛星のイラスト
衛星のイラスト