神津島、国内2番目の星空保護区に認定
【2020年12月9日 国際ダークスカイ協会/国際ダークスカイ協会 東京支部】
米・アリゾナ州に本部を置く国際ダークスカイ協会(IDA)は、暗く美しい夜空を保護・保存するための優れた取り組みを称える「星空保護区認定制度」を2001年から実施している。日本では2018年に、沖縄県の西表石垣国立公園が国内初の星空保護区に認定された(参照:「西表石垣国立公園、日本初の「星空保護区」に認定」)。
その西表石垣国立公園に続く国内2番目の星空保護区として、東京都の神津島(神津島村全域)が12月1日付けで認定された。
星空保護区カテゴリー5つのうち、神津島は「ダークスカイ・パーク」に入るが、その主な認定条件は以下のようなものだ。
- 夜空の暗さの測定値が、基準値(21.2等級/平方秒)をクリアすること
- エリア内の公的な屋外照明について、光害対策基準(上方光束ゼロ%、など)を定めた照明管理計画が発効されており、申請時に既存の屋外照明の67%以上が同基準に準拠していること(認定後10年以内に100%準拠させること)
- 光害に関する教育プログラムやイベントが定期的に実施されていること
また今回、特別な呼称として「ダークスカイ・アイランド」の使用がIDAによって認められている。
神津島は東京都心部から南へ約180kmの距離に位置する伊豆諸島の一つである。現在も非常に暗い夜空が保たれており、星空観賞を楽しむ観光客が数多く訪れている。
神津島村では2020年1月に、貴重な夜の自然環境保全のために光害防止の新条例を制定し、星空保護区認定を目指すことを正式に表明した。5月からは島内にある屋外照明の大規模な改修工事を進め、島の夜の光環境を短期間で一変させることに成功した。その後、8月にIDAへ星空保護区申請を提出し、今月の認定に至った。
「『星空保護区認定』の瞬間を心待ちにしておりました。認定された意義を深く受け止め、未来永劫、『この神津島の美しい星空』を保護していくことを誓います。今後も、星空ツアーなどで多くのお客様に訪れていただけるよう、受入環境を整備してまいります」(神津島村長 前田弘さん)。
神津島の光害対策は、人口が集中するエリアや生活圏も含めた全域におけるもので、単独の自治体が行ったものとしては日本初の事例となる。「日本の光害の傾向を逆転させ、暗い空を守るために神津島が行った取り組みを非常に誇りに思います。光害を効果的に減らして、責任を持って屋外照明を使用する優れた例です」(IDAエグゼクティブ・ディレクター Ruskin Hartleyさん)。
星空保護区の取り組みは日本国内の複数の地域で進められていて、現在は岡山県井原市(美星町地区)と福井県大野市(南六呂地区)が申請を目指して活動中である。神津島村の持続可能な環境配慮型の新地域振興モデルケースが、今後他の地域に波及していくことが期待される。
〈参照〉
- IDA:Tokyo’s Outlying Island, Kozushima, is Recognized as a Dark Sky Island
- 国際ダークスカイ協会 東京支部:神津島が国内2例目の星空保護区に認定されました!
- 神津島村役場:
- 星空保護推進機構:全島保護区指定、ダークスカイ・アイランドが誕生
〈関連リンク〉
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