美星町、国内3か所目の星空保護区に認定

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日本で3番目の星空保護区に岡山県井原市美星町が認定された。自治体単位が認定対象となる「ダークスカイ・コミュニティ」カテゴリーではアジア初だ。

【2021年11月4日 国際ダークスカイ協会国際ダークスカイ協会東京支部星空保護推進機構岡山県井原市

国際ダークスカイ協会(IDA)は、暗く美しい夜空を保護・保存するための優れた取り組みを称える「星空保護区認定制度」を2001年から実施している。日本では2018年に沖縄県の西表石垣国立公園が、2020年に東京都の神津島(神津島村全域)がそれぞれ保護区に認定された。

このたび日本国内3番目の星空保護区に、岡山県井原市の美星町が認定された。美星町は長らく天体観測に適した暗い夜空で知られており、1989年11月に国内で初めて光害防止条例を制定するなど星空保護に取り組み続けてきた。2005年に井原市に編入されてからも官民が協力して夜空の環境を守っている。

天の川
美星町に架かる天の川のアーチ。画像クリックで表示拡大(提供:美星天文台)

美星町は光害防止条例制定の30周年にあたる2019年から、星空保護区の認定に向けて動き始めた。5つある星空保護区のカテゴリーのうち、町が目指したのは自治体に与えられる「ダークスカイ・コミュニティ」である(西表石垣国立公園と神津島は自然公園などに与えられる「ダークスカイ・パーク」)。このカテゴリーで認定されるためには、光害防止条例や住民の理解とともに、屋外照明が厳しい基準を満たしていることが要件とされていた。

美星町観光協会と井原市は、クラウドファンディングで市内外から集まった支援にも助けられ、屋外照明の取り替えや住民への啓発活動などを実施してきた。その活動が実り、無事に承認された。2021年11月1日現在で21か国187か所ある星空保護区のうち、ダークスカイ・コミュニティは36か所で、美星町はアジアで初めての認定となる。

「夜空を守るための地域社会のコミットメントと献身がもたらした、この大変素晴らしい成果を祝福します。この努力が報われた今回の朗報は関係者のみなさまにきっと喜んで頂けると思います。この認定は、日本だけでなく、アジア全体にとっても記念すべき出来事です」(IDA ダークスカイプレイス・プログラムマネージャー Ashley Wilsonさん)。

井原市では星空観光のさらなる推進に向けて、地域の事業者や団体、住民等の連携による「星の郷まちづくりコンソーシアム」を立ち上げ、観光客の受け入れ環境の整備を進めている。