スペースX社、2018年末に民間人2人を月周回軌道へ

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スペースX社が来年末に民間人を宇宙船に搭乗させ、月を周回して地球へと帰還する往復旅行の実施計画を発表した。

【2017年3月1日 SpaceX

米・スペースX社は、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を届ける補給船「ドラゴン」やファルコンロケットなどを開発している民間企業だ。打ち上げに使用したロケットの再利用実験や火星探査ミッション計画など、非常に先進的で野心的な宇宙開発を行っている。

発表によると、来年2018年の末ごろに民間人2人を宇宙船「クルー・ドラゴン(ドラゴン2)」に搭乗させ、月周回往復旅行を実施するとのことだ。打ち上げには独自開発した「ファルコン・ヘビー・ロケット」が使用される。同ロケットは、今夏初の試験フライトを行う予定となっている。

有人宇宙船「ドラゴン2」
有人宇宙船「ドラゴン2」(2015年1月30日撮影)(提供:SpaceX)

ドラゴン2は、初のデモンストレーション・ミッションとして、今年の終わりに無人の状態でISSへ向かう。そして、来年の第二四半期には宇宙飛行士が搭乗する初の有人ミッションが行われる。現時点のNASAとの契約では、スペースXは年間にドラゴン2ミッションを4回ほど実施することになっており、そのうち3回が物資の運搬、残る1回が宇宙飛行士の搭乗である。

計画通りに進めば、月周回往復旅行のドラゴン2は米・フロリダ州ケネディー宇宙センターの39A発射台から打ち上げられる。ここはアポロ計画のロケットが打ち上げられた場所だ。

約45年ぶりに人々は再び月へと向かう。このミッションはさらに遠い宇宙へと続き、火星に人類を運ぶという究極的なゴールへの重要なマイルストーンとなるかもしれない。