空飛ぶ円盤のような形をした、土星の衛星パン

このエントリーをはてなブックマークに追加
土星の衛星「パン」の接近像が探査機「カッシーニ」によってとらえられた。空飛ぶ円盤のような、極めて奇妙な形がくっきりと写されている。

【2017年3月13日 NASA JPL

NASAの土星探査機「カッシーニ」は3月7日、衛星「パン」から約2万5000kmの距離を接近通過して観測を行った。その際に撮影されたパンの画像には、赤道部分が尾根のように飛び出した非常に奇妙な形状がとらえられている。

パン
パン
衛星パン(提供:NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute、以下同)

パンは探査機「ボイジャー2号」が1981年に撮影した画像中から1990年に発見された、直径約30kmほどの衛星だ。土星の衛星は60個以上発見されており53個が確定して命名されているが、その確定している中でパンは最も土星に近いところにある衛星で、土星の中心から約13万4000km離れたところを14時間弱で公転している。

パンは、土星のA環(アマチュアの天体望遠鏡で見える環のうち一番外側)の中にある、幅325kmの「エンケの間隙(空隙)」という隙間に位置している。A環の幅は約1万4600kmで、その外縁から約3200km内側にエンケの間隙がある。この隙間はパンの影響で作られたものと考えられている。

エンケの間隙と衛星パン
エンケの間隙と衛星パン

関連商品

2025年の見逃せない天文現象と星空の様子を紹介したDVD付きオールカラームック。DVDにはシミュレーションソフトやプラネタリウム番組を収録。11月14日発売

〈参照〉

〈関連リンク〉