発売から今年で88年目を迎える「カルピス」について、最近始めて知った事実がある。それはあの水玉模様が天の川に輝く星をイメージしていたことだ。カルピスが初めて世に出たのは、1919年7月7日。そう、七夕の日だったのだ。でも、最初からあのパッケージだったのか?それにしても、なぜ七夕?天の川?なのだろう。
カルピスの創業者である三島海雲は、モンゴルに滞在した時に発酵した牛乳に出会った。そのとき経験した味がヒントとなり、カルピスが開発されたのだ。実際のところは定かではないが、発酵した牛乳の味もさることながら、モンゴルの広大な草原で見た天の川が印象深かったこともあったのではないだろうか。
さらに、現在の水玉模様は最初からだったのかというと、そうではない。カルピスのホームページでは、年代毎のパッケージの写真が当時の出来事や流行語などとともにカルピス水玉ヒストリーとして紹介されている。それによれば、最初の水玉が登場したのは、発売から3年後の1922年のこと。おまけに、天の川にきらめく星ぼしをイメージしたその最初の包みは、今とは逆で、青地に白い水玉。じゃあ、いつから今の色に?と、ページ内を見ていくと、驚くなかれ、なんと赤地に白い水玉バージョンが現れた。従来のカルピスと区別するため1932年に採用されたデザインだそうだが、ちょっとびっくりした。結局、おなじみの白地に青い水玉包装紙が登場するのは、1953年だった。
現在都会で天の川を見ることは不可能で、星の見やすい場所へ出かけなければならない。でもまあ、そろそろ陽気もよくなってきたことだし、モンゴルとは言わないが、星のよく見える所まで足を伸ばしてみてはどうだろう。またこの季節には、天の川にも数多く存在するメシエ天体を一晩たずねるイベントが行われる。メシエマラソンと呼ばれるこのイベント、アメリカでは1970年代後半に、日本では1987年初めて行われブームとなった。京都の亀岡では、飛び入り参加者大歓迎のハーフマラソンも企画されているので、気楽に参加してみてはどうだろうか。(詳細は、以下の豊天メシエマラソンを参照のこと)なお、アストロアーツのホームページでは、このメシエマラソンのコース案内図を公開している。各天体の見つけ方や画像など、普段の観測に役立つ情報も掲載されているので興味のある方は、そちらもご覧いただきたい。