さらに続く日本での超新星発見
【1999年12月11日 VSOLJニュース(029)】
VSOLJニュース(025), (028)で、日本での超新星発見をお伝えしましたが、またもや日本で明るい超新星が発見されました。昨年から今年10月までの空白が嘘のようです。
IAUC 7329は、山梨県の串田麗樹さんが、12月9.82日(世界時)に撮影したCCD画像から14.5等級の新天体を発見したと報じています。 母銀河は、おおぐま座μ星のすぐ西にあるface-onの渦巻銀河NGC 3184で、超新星の位置は赤経10時18分16.66秒、赤緯+41度26分28.2秒(2000年分点)で、母銀河の中心核からほぼ真北に60"ほどのところにあたります。 スペクトルがアメリカのホイップル天文台で撮影され、この天体は早期のII型超新星であると判明しています。
超新星1999giの発見位置
母銀河の円盤部には、いくつか手前の星があります。 ローウェル天文台のSkiffさんが、これらの星の位置と明るさについて以下のようにまとめられています。 CCDなどを用いた光度測定にはこの値を使うとよいでしょう。
Name RA (2000) Dec s GSC V B-V V-R V-I A 10 18 16.4 +41 27 15 G 3004-0998 11.99 0.58 0.33 0.65 B 10 18 19.9 +41 25 44 G 3004-0774 15.66 0.69 C 10 18 03.8 +41 23 49 A 15.81 0.66
超新星は、銀河の中心核とA星との中間あたりにあります。
この銀河は、もっとも近い銀河団であるおとめ座銀河団の距離の半分程度、およそ3000万光年ほどの距離にあると見られます。 また、過去100年間に少なくとも3個の超新星を生み出しています。 そのうちもっとも明るかったのは、写真等級で10.9等にまでなったIa型超新星1921Cです。 他のふたつはII型超新星で、13.5等級程度で観測されています。 今回の超新星1999giは、II型であること、またスペクトルからかなりの星間吸収を受けているらしいことがわかっていますから、13.0等級までは明るくならないかもしれませんが、今後の観測が重要で、注目していきたい天体です。
KenIchi Kadota
Dec. 12, 1999 04:08:49 JST (60 sec)
Ageo City, Saitama Pref., Japan
0.18-m f/5.5 reflector + CCD (MUTOH CV-16II)