ふたご座流星群活発に出現
【1999年12月15日】
昨日12月14日は、ふたご座流星群の極大日で、活発な出現がみられた。
ふたご座流星群は極大日前日の12月13−14日から活発な活動を見せていた。日本流星研究会の流星・火球・隕石に関する最新情報によると、この日のZHR*1は、1時間あたり150を越えたという。この値は、先月のしし座流星群(11月18−19日:日本で多くの出現があった)の約半分に相当する。
*1 ZHR: もっとも理想的な条件で流星が見えた場合に補正した流星数。実際には、1時間あたりにひとりの人間が見た流星数の倍程度の値になる。
アストロアーツスタッフは、千葉県房総半島の白浜と山梨県の山中湖近くの三国峠の2か所に分かれ、ふたご座流星群を観測した。
千葉県の白浜では、15日1〜3時はうす曇となったが、それ以外の時間はほぼ快晴状態が続き、数多くの流星を捉えることができた。スタッフの報告によると、21時30分から22時30分には、1時間あたり50〜60個の流星が数えられ、ZHRに換算すると、100を越えているのではないかとのことだった。流星数のピークは14日22時ごろであり、それ以降は数が減少していったとのことだ。
また、15日1時5分には、冬の大三角をつらぬく、マイナス6等級に達する長経路の大火球が現れたとのことだ。
一方、山中湖近くの三国峠では、ときおりおおきな晴れ間は広がるものの、雲量6〜7の空が続き、雲間からの観望となった。雲により流星の数について、はっきりしたことはいえないが、明るく青白い火球が多かったのが印象的であった。
先月のしし座流星群は、数は多かったものの、明るい流星が少なかったので、今回のふたご座流星群は、明るさの面で見応えがあった。
また、まるでカメラのストロボを発光させたかのように、周囲が一瞬明るく照らされる現象を幾度となく目撃した。雲に隠され流星本体をはっきり確認することはできなかったが、かなり明るい火球が相当数飛んでいたのではないか、との印象を持った。
15日3時31分には、マイナス6等級のかなり明るい火球が天頂付近を流れた。日本火球ネットワークの掲示板を見ると、この火球は野辺山など複数の地点で同時に捉えられている模様だ。白浜でも目撃できたようである。
三国峠で撮影した、ふたご座流星群の火球(左)。肉眼では確認していなかったが、雲間をついて流れた火球は痕を残しており、写真に捉えることができた(中央と右)。 12月15日3時ごろ三国峠にて。撮影: 上山 治貴 |
参考: | 日本流星研究会 - 流星・火球・隕石に関する最新情報 |
日本火球ネットワーク - 掲示板 | |
AstroArts - 12月14日 ふたご座α流星群が極大 |