HSTがとらえたNGC3314
【2000年5月11日 NASA HST STScI-PRC00-14 (2000/5/11)】
NASAのハッブル宇宙望遠鏡(HST)によりとらえられたNGC3314銀河の画像が公開された。
この銀河は南天の「うみへび座」の方向・約1億4000万光年の距離に位置している。異様な形状をしていが、実は2つの別々の渦巻き銀河が偶然にも地球からの視線方向に並んでいるものだ。背後の銀河のほうがより大きい。
この配置のおかげで、手前の銀河(NGC3314a)にある暗黒星雲のようすがよくわかる。暗黒星雲が暗く見えるのは、ダストが多く含まれるためだ。多くの銀河では、このような暗黒星雲は若い青い星の周辺にのみ分布していることが知られるが、NGC3314aでは青い星が分布していない部分にも暗黒星雲が見られる。
中央やや下の赤い部分は、背後の銀河(NGC3314b)の中心核。赤く見えるのは、夕日が赤く見えるのと同じ理由で、手前のNGC 3314a内の星間ガスやダストの影響によるものだ。
この画像は、1999年4月にアラバマ大学のWilliam Keel、Ray White III両氏がHSTの広視野/惑星カメラ2(WFPC2)と青/赤外線フィルターで撮影した画像と、2000年3月にハッブル・ヘリテージ・チームが同じくWFPC2と青/緑/赤フィルターで撮影した画像を合成したもの。
画像提供=NASA / The Hubble Heritage Team (STScI/AURA)