北極星は太陽の46倍の直径を持つ巨星

【2000年6月12日 SpaceViews (2000/6/10)

北極星の直径をアメリカ海軍試作光学干渉計(Navy Prototype Optical Interferometer; NPOI)により直接計測した結果、北極星は我々の太陽の直径の46倍もある巨大な恒星であることがわかった。

北極星はケフェウス型変光星(セファイド変光星)であることが長く知られてきた。ケフェウス型変光星は、周期的な脈動(膨張と収縮を繰り返すこと)により周期的に光度が変化し、また変光周期と絶対等級に密接な関係があることが知られている。北極星が、恒星表面全体が連動して脈動する通常のセファイドであれば、その直径は太陽の38倍、また恒星表面の部分によって脈動周期が異なるオーバートーン脈動型のセファイドであれば、その直径は太陽の46倍であると推定されてきたが、今回の観測結果は後者と良く一致した。

NPOIはアメリカ・アリゾナ州フラッグスタッフ郊外に設置されており、複数の0.5m光学望遠鏡をY字型に並べたもの。複数の望遠鏡の観測結果を注意深く合成することにより、1基の38m望遠鏡と同等の解像力を発揮する(ただし、集光能力では38m望遠鏡には及ばない)。この優れた解像力により、今回のような恒星の直径の直接計測も可能。