900個の大型の地球近傍小惑星の軌道・大きさが判明
【2000年6月28日 CORNELL UNIVERSITY NEWS (2000/6/22)】
コーネル大学の天文学研究者William Bottke氏を中心とするアメリカ・フランス合同の研究チームの研究により、900個の大型の地球近傍小惑星の軌道・大きさが判明した。
太陽系の小惑星のほとんどは火星〜木星間の「主小惑星帯」に分布するが、地球近傍小惑星群(Near-Earth Asteroids; NEA)と呼ばれるグループも存在する。NEAはごく小さなものから、直径64km以上の巨大なものまで、さまざま。地球軌道をまたぐような軌道を持つため、地球に衝突する可能性が潜んでいる。
今回軌道が判明した900個は、それぞれ直径1km以上の大きなもので、毎年そのうちいくつかが地球〜月間の2〜3倍程度という至近距離まで地球に接近することになるため、将来的にそれらのうち1つが地球に衝突する可能性は否定できない。直径1km以上の小惑星が地球に衝突した場合、地球規模の災害になるといわれる。
また、900個のうちの半数近くについては、発見された位置が遠かったため、数百年単位での衝突可能性は計算できても、数千年単位での衝突可能性は不明。
今回の研究により、1km以上のNEAのうち40%の位置が判明したと見積もられる。Bottke氏によると、残りの60%については、現在地球から遠すぎるか、または変則的な方向に位置すると思われ、発見は難しいかもしれないという。
なお、この研究の詳細は『サイエンス』誌の最新(6月23日)号で発表されている。