中止となったNASAの2001年火星着陸探査機に再起の可能性?

【2000年6月30日 SpaceDaily (2000/6/27)

NASAは、火星探査計画の見直しに伴い、既に1億ドルの資金をつぎ込んでおきながら、2001年打ち上げの火星着陸探査機「マーズ・サーベイヤー・2001・ランダー」計画を中止した。しかし、ここにきて、計画が再起する可能性がでてきた。

SpaceDailyが業界筋から得た情報によると、NASAのジョンソン宇宙センター(JSC)の先端計画グループは、将来の有人火星探査において決定的に重要な、火星上で酸素や水素などの必要物資を生成する装置の火星上での実地試験が遅れることを快く思っていないそうだ。中止となった「マーズ・サーベイヤー・2001・ランダー」には、JSCの先端計画グループによるいくつかのそのような装置が搭載されることになっていた。しかも、それらの装置は2003年の火星計画には、組み込まれない可能性がかなりに高い。そしてJSCは今、中止となった「マーズ・サーベイヤー・2001・ランダー」を再起させる道を探っている。

「マーズ・サーベイヤー・2001・ランダー」は、昨年末に火星降下後、消息を絶った「マーズ・ポーラー・ランダー(MPL)」と基本的に同じ設計を持つ。

「マーズ・ポーラー・ランダー」の失踪の原因は、ソフトウェアの問題により降下制動エンジンが早期にカットされ、地表に高速で激突、破壊された可能性が最も高いと指摘されているが、この問題はおよそ50%の確率でしか発生しないため、着陸には成功したが、通信装置に問題が発生したためという可能性も捨てきれない。

SpaceDailyでは、とある情報提供者から、スタンフォード大学の電波望遠鏡がMPLからの信号を確かに捕らえたという話も聞いている。「マーズ・クライメート・オービター(MCO)」が火星を周回していれば、それが確かかどうか検証できるはずであり、MCOの失敗が悔やまれるところだ。MCOは、MPLより一足先に火星に到着し、周回軌道からMPLの通信サポートを行なうことになっていたが、ソフトウェアの問題から火星軌道進入に失敗、火星大気に深く突入しすぎて破壊された。