史上初の宇宙観光旅行者、訓練開始へ

【2000年9月5日 FLORIDA TODAY Space Online / Interfax (2000.9.4)

ロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターのセンター長Pyotr Klimuk氏によると、Dennis Tito氏の訓練が、今後2週間以内に始まるという。Tito氏は史上初の宇宙観光旅行者としてロシアの宇宙ステーション「ミール」を訪れる予定になっている。

今年6月16日以降は無人となっているミールには来年、2組の長期滞在クルーが交代で乗り組む予定になっている。1組目はSalizhan Sharipov氏(司令官)とPavel Vinogradov氏(エンジニア)の2名で、彼らは現在滞在に向けての準備中。2組目はTalgat Musabayev氏(司令官)とYuri Baturin氏(エンジニア)の2名。

Tito氏は、この2組の交代期間の間、ミールに滞在することになっている。つまり、2組目の長期滞在クルーと共にミールに向かい、1組目の長期滞在クルーと共に地球に帰還する。期間は、打ち上げから地球帰還までおよそ10日間。日程は確定していないが、来年夏ごろになると見込まれている。

この旅行の旅費は明らかにされていないが、専門家の見積もりによるとおよそ2千万ドル(約20億円)という。

59歳のTito氏は、1964年からNASAのジェット推進研究所(JPL)に勤務し、火星探査機「マリナー4号」や金星探査機「マリナー5号」の軌道設計を行なったことで知られる、著名なロケット科学者。その後はNASAを退職して投資顧問会社を設立し、大成功を収め、ウォール街の大物となった。

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