天の川銀河系中心のブラックホール位置が精密に特定された
【2000年9月21日 FLORIDA TODAY Space Online / AP (2000.9.21)】
Andrea Ghez氏をリーダーとするカリフォルニア大学の研究チームが、私たちの天の川銀河系の中心にひそむ巨大ブラックホール(太陽質量の200万倍程度)の位置をこれまでになく精密に特定することに成功したと、9月21日発行の科学誌『Nature』で発表した。
研究チームでは、銀河系の中心と考えられている領域(「いて座A」と呼ばれる電波源の近く)の星たちから3つの星を目標として選択し、それらの微小な位置変化を4年間かけて観察しつづけてきた。観測には、ハワイのケック10メートル望遠鏡による赤外線画像を用いた。
それらの3つの星は、銀河系中心のブラックホールの周囲を周回していると考えられ、それらの速度の変化を精密に求めた結果、中心ブラックホールの精密な位置の特定が可能となった。そして特定された位置は、「いて座A」のすぐ近くで、これまで中心ブラックホールの位置として考えられてきた地点とほぼ完全に一致した。
この研究成果は、銀河系の進化やブラックホールの進化を探る上でひじょうに重要なものである。