ライト兄弟の飛行機の一部がスペースシャトルで宇宙へ
【2000年9月28日 FLORIDA TODAY Space Online (2000.9.27)】
ライト兄弟が製作した人類史上初の飛行機の一部が、10月5日の打ち上げで国際宇宙ステーション(ISS)へ向かう予定のスペースシャトル・ディスカバリー号(STS-92/3A ISS艤装フライト)に積載され宇宙を飛ぶことになった。
宇宙飛行士たちは、人類が宇宙飛行をはじめたほとんどそのときから、個人的な荷物を宇宙船に積みこんできた。ディスカバリー号の乗員ももちろん例外ではない。
ライト兄弟の飛行機の一部は、クルーのひとり、Bill McArthur宇宙飛行士が個人的な荷物として持ちこむものだ。1903年にライト兄弟の人類史上初の飛行機が初飛行をはたしたアメリカ・ノースカロライナ州は、McArthur飛行士の故郷なのである。McArthur飛行士は、その初飛行の離陸地点であるノースカロライナ州キティホークの砂も持ちこむ予定だ。
今回初めてシャトルに搭乗するPam Melroy操縦士は、故郷であるニューヨーク州ロチェスターの旗を持ちこむ。Melroy操縦士は、ロチェスターの2つの学校の旗も持ちこむことにしている。彼女は、「ロチェスターの小さな一部を一緒につれていけることにとても感激しています。」といっている。
日本人の若田光一宇宙飛行士は、相撲の行司が持つ「軍配」を持ちこむ。若田飛行士は、この軍配を史上初の宇宙相撲に使いたいともくろんでいる。若田飛行士は、「無重力で相撲がとれるかどうか試してみたいと思っています。難しいとは思いますが」と話している。
また、ほとんどの宇宙飛行士たちは、家族に関連するものも持ちこむ。
Jeff Wisoff飛行士は、両親の結婚写真。Wisoff飛行士の両親は、もうすぐ結婚50周年を迎える。さらに、Wisoff飛行士は、3年間もの訓練で頻繁に使った訓練用水槽の小片も持ちこむという。
3度目の宇宙飛行にのぞむBrian Duffy司令官は、主に、家族に関連するごく少数のものだけを持ちこむつもりだ。
同じく3度目の飛行となるLeroy Chiao宇宙飛行士も、両親や兄弟のための少数のものだけを持ちこむ。
スペイン生まれのMichael Lopez-Alegria飛行士は、持ちこむもののうち多くを持ちかえらないつもりだ。なぜなら、Lopez-Alegria飛行士が持ちこむものはほとんど食べ物だからだ。Lopez-Alegria飛行士はこう話している。「僕がスペインで最も好きなもののひとつは、食べ物なんです。以前、クルーみんなにパエリヤという食べ物をふるまいました。みんな気に入ってくれましたよ。」