NEAR-シューメーカー探査機、小惑星エロス上空5.3kmを接近通過

【2000年10月31日】

小惑星433「エロス」を周回探査中のNASAの小惑星探査機「NEAR-シューメーカー」 (運行はジョーンズ・ホプキンス大学応用物理学研究室が担当) はアメリカ時間26日、エロス表面から5.3キロメートルという至近距離を通過した。もちろん、NEARがエロスにここまで接近するのはこれがはじめて。

NEARがエロスを至近通過した際に撮影した画像

画像は、そのときNEARにより撮影された一連の画像のうちのひとつ(NEAR image of the day for 2000 Oct 26 (B))。この撮影時、画像にとらえられている地点からNEARまでの距離は7キロメートルで、画像にとらえられている範囲は幅およそ350メートルの領域。画像に見られる最も小さな岩はわずか1.4メートルほどの大きさ。

半径50キロメートルの円軌道を周回中だったNEARはアメリカ東部夏時間10月25日午後6時10分、4秒間のエンジン噴射を行ない、エロスへの接近を開始した。そしてアメリカ東部夏時間26日午前3時前(日本時間26日午後4時前)、エロス上空5.3キロメートルを無事接近通過した。その後NEARはアメリカ東部夏時間26日午後1時40分(日本時間27日午前2時40分)ごろ3分間に渡るエンジン噴射を行ない、半径200キロメートルの円軌道にむけて上昇していった。

NEARは11月いっぱいは半径200キロメートルの円軌道にとどまる。そして12月には再び降下を開始し、しばらく低軌道からの探査を行なった後、2001年2月――NEARがエロスを周回しはじめてからちょうど1年後――に任務を終える。任務完了の際には、エロスへの着陸を試みることも検討されている。

Image credits: NASA / Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory

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