太陽系のごく近くに低質量星が発見された
【2000年11月30日 ハワイ大学天文学研究室プレスリリース (2000.11.20)】
国際天文学者チームが、太陽系からわずか13光年程度の距離に、表面温度が2200K程度、質量が木星質量の90倍〜60倍程度の低質量星を発見した。この低質量星は、国際天文学連合 (IAU) の規則に従い、DENIS-P J104814.7-395606.1 と名付けられた。
この低質量星ははじめヨーロッパ南天天文台(ESO)の深宇宙近赤外線サーベイ計画 (DEep Near-Infrared Survey; DENIS) の画像から2000年の春に発見され、その後ハワイ・マウナケア山頂の口径10メートルのケック-1望遠鏡による高精度分光観測により近傍の低質量星であることが確認された。
この低質量星は、褐色矮星である可能性が高い。褐色矮星とは、自ら恒星として核融合反応を起こすほど質量をもたない星のことである。恒星となるか褐色矮星となるかの境界は、木星質量の75倍といわれている。
DENIS計画は南天全体の近赤外線マップの作成を目的としたもので、ESOの南米チリ・ラシーヤ天文台の口径1メートルの望遠鏡により進められている。
なお、『Astronomy and Astrophysics Letters』誌に発見を報告したチームのメンバーとその所属は以下のとおり。 なお、『Astronomy and Astrophysics Letters』誌に発見を報告したチームのメンバーとその所属は以下のとおり。
Xavier Delfosse (1,3)
Thierry Forveille (2,3)
Eduardo Martin (4)
Jean Guibert (5,6)
Jean Borsenberger (7)
Francoise Crifo (7)
Cristophe Alard (6)
Nicolas Epchtein, PI of the DENIS survey (8)
Pascal Fouque (9, 10)
Guy Simon (6)
Francoise Tajahmady (5,6)
(1) Institute of Astrophysics of the Canary Islands, Spain
(2) Canada-France-Hawaii Telescope Corporation
(3) Laboratoire d'Astropysique de l'Observatoire de Grenoble, France
(4) Institute for Astronomy, University of Hawaii at Manoa, USA
(5) Centre d'analyse des Images de l'INSU, France
(6) DASGAL, Observatoire de Paris, France
(7) Institut d'Astrophysique de Paris, France
(8) Observatoire de Nice, France
(9) DESPA, Observatoire de Paris, France
(10) European Southern Observatory, Chile