カッシーニ探査機、木星付近の「音」を録音

【2000年12月18日 Jupiter Millenium Flyby News (2000.12.15)

現在木星に接近中の土星探査機「カッシーニ」(NASA / ヨーロッパ宇宙機関 / イタリア宇宙機関の共同) が、木星近くの宇宙空間を伝わる「音」を録音することに成功した。

この「音」は、惑星間の宇宙空間に広がっている荷電粒子の薄いガスを伝わってくる低周波の波を、人間の耳に聞こえるように変換したもの。12月8日、探査機が木星から2300万キロメートルの距離にあるときに、探査機の電波・プラズマ波観測装置 (Radio and Plasma Wave Science; RPWS) により観測されたものだ。

NASAによるとこの「音」は、太陽風 (太陽から放出される超音速の荷電粒子の流れ) が木星を取り巻く磁気圏に吹きつけて形成される弓状の衝撃波面 (bow shock) から発せられているという。太陽風はこの衝撃波面に到達すると、押し曲げられながら急激に減速させられ、熱される。